「W-ZERO3[es]」に対する質問で多かったのが、もっさりしているかどうか。CPUやディスプレイの解像度がW-ZERO3(ファームウェアアップデート済みのもの)から変更されていないこともあり、体感でサクサク感が向上したという印象は受けなかった。しかし画面の縦横変更時などは速くなっている感もある。
バックグラウンドのタスクをこまめに終了させておけば、基本的には機能の呼び出しに極端に時間がかかることはなく、バックグラウンドタスクの終了を比較的簡単に待受画面から行える点も、速度面でプラスに作用している。プログラムサイズが大きいOperaは起動に時間がかかるが、バックグラウンドで起動させておけば、待受画面から呼び出すのに待たされることはない。
このW-ZERO3[es]のレスポンスについては、3つの動画を用意した。まずはW-ZERO3で「遅い」と不満の多かった縦横画面の切り替え。1つはバックグラウンドでメーラーとファイルマネージャーを起動した状態での待受(Today)画面、もう1つは、WebブラウザのOperaでシャープのW-ZERO3特設サイトを表示したところだ。
なおスライド連動の状態では撮影が難しいため、縦横画面の切り替えは側面のボタン操作で行った。
全体の処理能力や画面の描画速度を確認するために、USB経由のキーボード接続時のレスポンスも試した。待受画面からメーラーを起動し、メールの新規作成で文字を入力しているところだ。不慣れなキーボードを使ったのでミスタイプも多いが、それも動作レスポンスの確認になるだろうということで、そのまま掲載している。特に予測変換候補表示の追従性などに注目してほしい。
何をもって“もっさりしている”かは、個人の感覚に依存するため、表現が難しい。また最近では、出荷直前までソフトウェアのチューニングを行うことも珍しくない。今回の検証は、発表会で展示された端末で行っているため、製品版と反応速度が異なる可能性もあることをご了承いただきたい。
W-ZERO3[es]の液晶ディスプレイは、W-ZERO3と同じ640×480ピクセルの解像度となる。ただし画面サイズはふた周りほど小さい2.8インチと一般的な携帯電話に近いため、“小さすぎないか”と気にする声もある。
W-ZERO3[es]とW-ZERO3、2.2インチのQVGAディスプレイを搭載した携帯電話の3つを比べてみたところ、2.8インチあればVGA解像度のメリットを享受できる印象を受けた。視認性ではW-ZERO3に軍配が上がるが、フォントサイズ「中」程度までなら、W-ZERO3[es]でも十分実用的にWebなどを閲覧できる。また、今どきのハイエンド携帯で主流となっている2.2〜2.4インチのディスプレイと比べると、その差はわりと大きい。もし横幅を抑えるために2.4インチクラスのディスプレイを採用していたら、VGA解像度のメリットは生きてこなかったかもしれない。
試したところ、認識しなかった。PCからW-ZERO3[es]の内部メモリにアクセスするには、PCにActiveSyncを導入する必要がある。ただしActiveSync(使用したのは4.2)を入れれば専用ドライバなどは不要。外出時にW-ZERO3[es]に保存したファイルをPCに取り出すような場合には、マイクロソフトのサイトからActiveSync 4.2をダウンロードしてインストールすれば、W-ZERO3[es]をPCから認識できるようになる。ちょっとしたファイルのやり取りなら、メールを使った方が速そうだ。
着信音の長さは、秒単位の時間か回数で設定できる。MP3の音楽ファイルを設定したら、“1曲まるまる鳴りっぱなしになる”ということはない。
W-ZERO3[es]では、待受(Today)画面に「実行中のプログラムxx件」と表示されるようになり、これを選んで決定キーを押すと、プログラムを切り替えられる。「コントロールパネル」→「メモリ」の「実行中のプログラム」で「タスクマネージャー」タブを呼び出すだけだが、W-ZERO3より便利になっている。
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