順位 | 端末名 | 概要 |
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1位 | W-ZERO3[es] | Windows Mobile、デュアルキーボード、2.8インチタッチパネルディスプレイ、USBホスト機能 |
2位 | G'zOne W42CA | IPX7相当の耐水性能、2.4インチ液晶、GPS、電子コンパス |
3位 | 905SH | ワンセグ、2.6インチモバイルASV液晶、外部メモリ録画、マルチジョブ |
日本でのスマートフォンという分野を、一気にスターダムにのし上げたのがウィルコムの「W-ZERO3」だった。その兄弟機として今年登場した「W-ZERO3[es]」を、今年のベスト端末に選ぶ。
W-ZERO3は“PDAに電話機能を加えた”端末だった。ビジネスでMicrosoft Exchange Serverを使い予定やメールを連携させたり、ビジネス文書を閲覧・編集する分には、高機能で使い勝手は悪くない。少し大げさに言えば、日本でいったん崩壊したPDAの市場をコンシューマーに取り戻してくれた功績も大きい。
だが、W-ZERO3は良くも悪くも情報端末という顔が先に来る。電話として使えるとはいえ、あくまでデータ通信がメインで、音声通話を行おうとした場合、ちょっと勇気がいる。筆者は音声通話に使っていたが、はっきり言えば電話としては大きすぎるのだ。
海外のスマートフォンでこれほどの大きさのものはあまりなく、例え大きくても通話はBluetoothヘッドセットを使うのが一般的(耳にかけて普通に生活している)。Bluetoothがなく、サイズも大きいW-ZERO3は特殊だったわけだ。
W-ZERO3[es]はサイズを小さくし(それでも普通の携帯よりは大きい)、ダイヤルキーを搭載したことで、音声端末として普通に使えるようになった。Bluetoothヘッドセットを使い、歩きながら通話するという光景は、日本では当分先の話になるだろうし、音声端末として使えるものの使い勝手が悪いのでは、通話のためにもう1台の携帯が必要になってしまう。
音声端末、PDAのどちらでも違和感なく利用できるスマートフォンとして、W-ZERO3[es]は現在のベスト端末だと思う。
一部に熱烈なファンがいながら、なかなか新製品が登場しなかったカシオ製のタフネスケータイ。折りたたみ型になって登場した「G'zOne TYPE-R」は、その独特の外観はともかく、WIN端末ではない点に不満を感じていた。
第2位に選んだ「G'zOne W42CA」は、シリーズ待望のWIN端末だ。電子コンパスやGPS、耐衝撃・防水性能など“G'zOne”の特徴はそのままに、外部メモリがmicroSDカードに対応したことで、防水デジカメとしても利用できるようになった(7月26日の記事参照)。また、EZナビウォークも高速かつ定額で利用可能になるなど、使い勝手が向上。見た目もスマートになり、一般人でも使いやすくなった。
KDDIの小野寺正社長が定例会見で話したように、端末のラインアップが今後「多品種少量生産」になるのなら、“G'zOne”シリーズのようにとんがった端末をもっとどんどんリリースして欲しいものだ。
ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)のワンセグ第1弾端末で、シャープの液晶テレビ「AQUOS」の技術を投入し、“アクオスケータイ”の愛称で呼ばれる「905SH」を第3位とする。
905SHと言えば、液晶を横に倒すだけでテレビが起動する“予想外”のテレビCMが話題になった。当時はちょうどボーダフォンからソフトバンクモバイルへの移行期。予想外の動きで、ソフトバンクの名を広めた功績は大きい。
また、905SHは後発ゆえの高機能さで、携帯では初めて外部メディアへの録画に対応したほか、電子番組表(EPG)からの録画予約を可能にした。ワンセグをより楽しめるようにしたという意味でも評価したい端末だ。
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