スマートフォンが“盗聴器”になる前に対策を──シマンテックの山中氏(1/2 ページ)

» 2007年03月16日 07時27分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
Photo シマンテックのプロダクトマーケティング部でリージョナル・プロダクト・マーケティング・マネージャを務める山中幸代氏

 ウィルコムの「W-ZERO3」シリーズ投入を契機に、日本のスマートフォン市場で存在感を増してきたのがWindows Mobile搭載端末だ。2006年にはウィルコムがメモリ増強版のW-ZERO3とデュアルキーボード搭載の「W-ZERO3[es]」を投入したのに加え、ドコモがHTC製の「hTc Z」、ソフトバンクモバイルが同じくHTC製の「X01HT」をリリース。2007年には新規参入組のイー・モバイルが「EM・ONE」を、ソフトバンクモバイルがWindows Mobile 6搭載の東芝製端末「G900」をリリースすることもすでに決まっている。

 「毎年、(Windows Mobile搭載機の)出荷台数を3倍にする」ことを目標に掲げるマイクロソフトも(2006年12月の記事参照)シェア拡大に自信を見せ、同社が150万人程度いると見積もるアーリーアダプタ層(トレンドに敏感なオピニオンリーダー的存在)の、3分の1程度がWindows Mobile搭載端末ユーザーだと説明(3月7日の記事参照)。今後は、1500万人規模ともいわれるインフォメーションワーカー層への浸透を目指すとしている。

 日本のスマートフォン市場が拡大し始めた一方、懸念が高まりつつあるのがセキュリティ対策だ。1月にWindows Mobile向けウイルス対策ソフトの最新バージョン「Mobile AntiVirus 4.0 for Windows Mobile」をリリースしたシマンテックの山中幸代リージョナル・プロダクト・マーケティング・マネージャにモバイル機器向けウイルス対策の現状と課題、新ソフトウェアの特徴について聞いた。

ウイルスがスマートフォンを盗聴器に変える恐れも

 シマンテックがMobile AntiVirus 4.0 for Windows Mobileをリリースした背景にあるのは、スマートフォン市場の著しい拡大だ。ジュピターリサーチの調査が、スマートフォン市場について2005年から2009年にかけての年間成長率が28%になると予測するなど、今後も市場規模は増加の一途をたどると見られている。こうした急速なシェアの伸びに、セキュリティ対策が追いついていないというのが山中氏の見方だ。

 今後起こりうる脅威の1つに挙げられるのがウイルスだという。Symbian OS搭載機もWindows Mobile搭載機も、その機能がどんどんPCに近づいており、「中身がPCに近づくにつれてウイルスも作りやすくなってくる」と山中氏は指摘。その上、カメラやICレコーダー、スケジューラなどを備えた高機能なスマートフォンを盗聴器に変えかねない「スヌープウェア」の存在も確認されている。

 「スヌープウェアは例えば、端末内のカレンダーの内容を参照して持ち主の予定をキャッチし、(会議などの予定に連動させる形で)勝手にマイクをオンにして盗聴させたり、ひどいときにはカメラを起動して写真やムービーを撮る。Windows Mobile向けのスヌープウェアはまだ確認されていないが、携帯特有のリスクを突いたウイルスが出てくるのは時間の問題かもしれない」

 “元々が通信デバイスである”ことから、こうしたウイルスの進入経路が多いのも懸念される点だ。「キャリア網やWi-Fi、赤外線、Bluetooth、PCとのケーブル接続、外部メモリなど、多くの手段を通じて端末内にメッセージやデータが入ってくる。端末が高機能化するほど便利にはなるが、危険にもなる。個人情報はもちろん、会社の情報が脅威にさらされるのは非常に危ない」

スマートフォンのセキュリティを導入している企業は10%程度

 こうしたセキュリティ面の脅威に対して、対策を講じている企業はまだ少ないのが現状だ。山中氏によれば、米国では約80%くらいの企業が社員にモバイルデバイスを使うことを許可しているが、「75%の企業が、まったくスマートフォンの(包括的な)セキュリティを考慮していない、というデータがある」と話す。

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