厚さ13.5ミリの“フラットスライド”はどれだけ便利に使える?──「P704i」(3/3 ページ)

» 2007年09月06日 00時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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P904i譲りの充実した音楽再生機能

 音楽再生機能はBluetoothは非搭載、内蔵スピーカーがモノラルという点が異なるものの、ほぼ2007年夏モデル「P904i」と同じで、704iシリーズの中では特に充実している。704iシリーズで唯一、定額制の音楽配信サービス「うた・ホーダイ」に対応し、Windows Media Audio(WMA)再生も可能になった。着うたフル、WMA、SD-Audioの再生をサポートする。

photophoto ミュージックプレーヤーのトップ画面。一見SD-Audioのデータが別管理のように見えるが、実際にはほかの一覧画面にも含まれる(左)。プレイリストは一覧から複数選択して一気に登録できる。PC経由で楽曲を転送する際には、Windows Media Playerのプレイリスト(お気に入り)も反映できる(右)
photophotophoto SD-Audio、WMA、着うたフルの各データを同一のプレイリストに登録できる。下部の情報表示バーで、その曲のフォーマットが何かを判別できる

 なおMP3やm4a(iTunesで作成されるMPEG4-AACファイル)ファイルは本機では再生できないものの、PCの「Windows Media Player」がMP3、付属ソフト「SD-Jukebox」がMP3とm4aのインポートをサポートしており、携帯への転送時に自動的に本機で再生可能なフォーマットに変換してくれる機能がある。このため、PCで再生できる楽曲のほとんどは、それほど大きな手間をかけずに本機でも再生可能と思ってよいだろう。

 プレーヤーの使い勝手はかなり良好だ。音楽再生は「Music Player」に1本化されており、着うたフル/WMA/SD-Audioと、音楽フォーマットを意識することなく再生できる。各種一覧表示もフォーマットの区別がないため、全データを対象にしたシャッフル再生もできるし、音楽フォーマットが混在したプレイリストも作成できる。また、待受画面からワンプッシュ操作で音楽プレーヤーを起動でき、前回停止した位置から続きを再生できる。

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photophoto 「Music Player」はデザイン、ユーザーインタフェースともに、従来の端末に搭載された“SD-Audioプレーヤー”とほぼ同じ。クリアキーを押すと再生を継続したまま楽曲一覧画面に戻り、任意の曲への移動も容易に行える。そのほかリピート再生や実用的なイコライジング機能も備える

 音楽再生はタスクの1つとして動作するため、音楽を再生しながらメールやiモードを利用できるマルチタスク操作が行える。音楽再生中にメニューキーを押すとメニュー画面に戻り、そのほかの一部機能を同時に操作できるようになる。電話着信時は再生が一時停止され、音声通話終了後に自動的に復帰するようにもなっている。

 また、最近のFOMA端末には多い仕様だが、簡易的なリモコン操作も可能だ。通話機能を兼ねるフックキー付きステレオイヤフォン/マイクを使用すると、フックキーの単押しで一時停止/再生、2回押しで1曲送り、3回押しで1曲戻しができる。簡易的ではあるがこのリモコン操作はキーロック中も機能するので、本機をカバンに入れたまま、まさに携帯音楽プレーヤーのように使える。マニュアルなどでは大きくうたわれていないが、この使い方はなかなか役に立つのではないだろうか。ほかのFOMA端末に付属していた標準オプションのフックキー付きステレオイヤフォン/マイクやサードパーティー製の適当なステレオイヤフォンを接続できるマイク付きアダプタで試したが、手持ちもののでは問題なく“簡易リモコン機能”が動作した。

 音楽の連続再生時間は約18時間から19時間。P904iと比べるとやや短いが、1日中聴きっぱなしというような使い方でなければ問題ない。少なくとも、音楽再生が原因で電池が1日も持たないといった事態にはならないだろう。

日常生活で役立つ機能を備えたスリム&コンパクトFOMA

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 P704iの魅力は、日常でよく使う携帯の機能を、操作性を含めてバランスよく、かつコンパクトなスライドスタイルにまとめあげた点だと言える。

 実のところ実際に触ってみるまでは、その薄さや独特のスタイルから操作性に不安もあったが、よい意味で予想を裏切られた。スライドの操作性はほどほど良好で、スライド端末に必須の機能も必要十分。同社としてはFOMA初のスライド端末として登場したが、内部ソフトウェアも含めて完成度も悪くない。

 一方、割り切られた機能もある。主にテレビ電話用に使うインカメラを本機は搭載しない。そのため、自分を相手に映しながら話すテレビ電話通話は(不可能でないが)行えず、代替のキャラクター画面を使うか、アウトカメラに写る(風景などの)映像を相手に送ることになる。

 ほぼ同じスタイルのソフトバンクモバイル向けの「810P」は、インカメラはあるがFeliCaを搭載しない。テレビ電話が携帯の機能として頻繁に使われているか、テレビ電話とおサイフケータイのどちらが望まれるかを考え、こうした英断に至ったのだと思う。

 細かいところで気になったのは、着信時の登録名表示を無効にするには“パーソナルロックをオンにするしかない”点。ディスプレイが常に露出するスライドボディの本機では、スライドと連携するような表示/非表示機能もあるとうれしい。パーソナルロックはスライド動作と連携できるが、前述の通り、開くたびに解除の確認画面が表示されるほか、オン状態ではメール受信も一切通知されなくなる(バックグラウンドで受信されるがアイコン通知などはされない)という不便な面もあるからだ。


 というわけでP704iは、704iシリーズの中ではとりわけ“とんがっ”てはいない。しかし、携帯において利用頻度の高い機能──音楽プレーヤーやおサイフケータイ、フラッシュ機能付きAFカメラなど──をしっかり押さえた上で、特に厚さ13.5ミリというコンパクトなスリムスライドボディの存在がじわじわと効いてくる。

 折りたたみ端末も厚さ18ミリ前後の薄型ボディが“当たり前”になりつつあるが、本機のサイズは見た目にも、身に着けて実際に持ち歩く場合も歴然とした違いが感じられる。スリムであるだけでなく“イマドキのケータイ”としての基本機能はしっかり搭載したバランスのよさは、コモディティ(日用品)化が進み、ケータイに対するニーズも多様化する現在、かなりの武器になるのではないだろうか。

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