手のひらサイズの“魔法の世界”は、こうして生まれた――ディズニー・モバイルの今とこれから(2/2 ページ)

» 2008年05月02日 17時16分 公開
[田中聡(至楽社),ITmedia]
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専用コンテンツが満載の「Disney Web」

Photo Disney Webのトップページ。「D★Y!」の一覧は、20代から30代の女性のアクセスが多い順に並び方を変えている

 内蔵コンテンツだけでなく、公式コンテンツにもディズニー・モバイルならではの仕掛けや特典が盛り込まれている。ディズニー・モバイルでは、端末の「Dボタン」(右上ソフトキー)からアクセスできる公式ポータルサイト「Disney Web」を利用できる。このDisney Webのトップページ上部に表示されるFlashの「マイページ」では、3時間ごとに天気情報が更新される。

 「ディズニー・モバイル端末の購入時に、自分の住んでいる地域や誕生日を登録すると、登録した地域の天気予報が表示され、自分の誕生日や(季節ごとの)イベント時には、ちょっとしたサプライズもあります。ミッキーやミニーなどのキャラクターのスクリーンデビューの日には、待受として使えるFlashのバースデーカードカードが送られます」(同社)

 マイページはデザイン(スキン)の変更にも対応し、変更したスキンは、オンライン料金案内の利用や各種手続きの変更ができるPCサイト「My Disney Mobile」にも反映される。現在のところ、スキンは8種類が用意され、今後も増やしていく予定だ。

 My Disney Mobileの「クイックサーチ」を利用すれば、PCからでもモバイルコンテンツを検索でき、気になるコンテンツをマイボックスに入れておけば、ケータイから簡単操作でダウンロードできる。現状はダウンロード時の利便性を高めるための機能だが、「ケータイとPCの連携機能は、今後はさらに拡充することも考えている」(同社)という。

 Disney Webには、Yahoo! JAPANとのコラボレーションによりYahoo!検索を利用できる「D★Y!」と、公式コンテンツのメニューリストも用意される。

 他社との差別化ポイントとして注目したいのが、ディズニー・モバイルユーザー向けにデコレメールのテンプレートやフォトフレームなどを限定配信する「お楽しみコンテンツ」だ。「20〜30代の女性向けコンテンツなので、シックで大人向けのデザインも多く用意している。アートは描き下ろしで、有名なアーティストも参加しています。和風柄などの新しいスタイルにも注目してほしいですね」(同社)という。

Photo スタイリッシュな「お楽しみコンテンツ」

 グルメ、トラベル、ビューティ、ビジネスマナーなど、若い女性向けのコンテンツを配信する「トレンドマガジン」も用意され、現在は「OZmall」「mobileOZ」とのタイアップにより情報を配信中。このコーナーも、順次拡大する予定だ。

 ディズニー・モバイルのユーザーは、ディズニーが提供する22の公式サイトを追加料金なしで利用できるのも大きな特徴だが、既存の公式サイトにも、ディズニー・モバイル専用のコンテンツが提供される。『ピックアップ』のコーナーでは、girlswalker.com、TSUTAYA online、mu-moなど、他社サイトとのコラボレーションも実現している。これらのサイトにアクセスすると、ディズニー・モバイル専用のブリッジページを挟んで(通常の)トップページに飛ぶことになる。

 例えば、エイベックスの「mu-mo」では、エイベックスがピックアップした、ディズニーに縁の深いまたはディズニーファンのアーティストが登場し、「ディズニーへの想い」を語るインタビューが掲載されている。

 人気コンテンツは「うた系とデコメ用テンプレートやデコメ絵文字(マイ絵文字)」だという。「メッセージや手書きのフレーズ入りのデコメ用の画像も人気です。絵文字やマイ絵文字は、多くの女性に楽しく使っていただけるでしょう」(同社)

 「グラフィック素材は、大人っぽくて、どちらかというとシックなアートが人気です。シンデレラが登場する画像よりは、『ガラスの靴と階段を上っているシンデレラのドレスの裾』など、アートとして使えるものが多いですね」(同社)

ディズニー・モバイルの今後

 サービス開始から2か月が経過しようとしているが、契約数は「当初の目標値を上回る形で推移している。当初の想定どおり20代から30代のターゲット層が大半を占めています」(同社)という。的確なターゲティングと20代から30代の女性の心をつかむ端末やコンテンツ開発が功を奏し、すべり出しは好調だ。

 そこで気になるのが、ディズニー・モバイルの今後の戦略だ。引き続き、20代から30代の女性にフォーカスして事業を展開するのだろうか。同社によると、現状ではほかのセグメントに変えることは考えていないとした。

 DM001SHのユーザーインタフェース(UI)は「820SH/821SH」がベースとなっているが、ディズニー・モバイルならではのUIに進化する可能性はあるのだろうか。「直感的に使えてディズニーの世界観を盛り込んだUIは、この機種(DM001SH)だと機能的に搭載できませんが、今後は考えていきたいですね。」(同社)

 ディズニー・モバイルは、まだ第1歩を踏み出したばかり。端末、コンテンツ、周辺機器など、改良の余地はまだまだ残されており、今後の展開が非常に楽しみだ。

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