米Qualcommは5月12日(米時間)、1チップでMediaFLOとISDB-Tの受信を可能にするUniversal Broadcast Modem(以下、UBM)を搭載したマルチモード端末のデモを実施し、成功したと発表した。
UBMはQualcommが、MediaFLO以外の次世代マルチメディア放送規格との共存を目指して開発したチップセット。このチップを搭載することで、端末メーカーはワンセグとMediaFLOを受信できる端末を開発可能になる。なお、クアルコムはこのデモを、7月22日から24日にかけて東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン2008」で披露する予定だ。
日本のモバイル機器向けマルチメディア放送は、2011年に停波する地上波アナログテレビ放送の空き周波数帯が候補として挙がっており、総務省が主催する懇談会で仕様やビジネスモデルに関する検討が進んでいる。
採用する技術やビジネスモデルのあり方は決まっていないものの、ドコモがISDB-Tmm方式による次世代マルチメディアサービスの研究を行うための企画会社として「マルチメディア放送企画 LLC合同会社」を立ち上げ、KDDIとソフトバンクがそれぞれMediaFLOの技術検討やビジネスモデルを検討する企画会社を設立するなど、キャリアによって推進する方式は異なる。
日本市場で異なるマルチメディア放送規格が共存することになった場合でも、UBMを利用することで、製造コストを大幅に増加させることなくマルチモード対応端末の開発が可能になるという。
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