第4回 通話と通信機能を改めてチェック──2つの大きな「よかった」もあった「WILLCOM D4」ロードテスト(2/2 ページ)

» 2008年08月26日 19時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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DDでUSB接続すると、通信速度が向上

 データ通信用のW-SIMは、W-OAM対応エリアで最大204Kbps(最大4xパケット)で通信できる「RX420IN」が付属する。8月22日に公開されたUSBシリアルドライバのアップデートまで、不定期に通信が途絶えることが多く、通信速度そのものよりこちらの方がストレスが溜まるものだったが、アップデート後はかなり改善された。筆者宅は東京23区内で、ウィルコムの基地局も比較的近くに複数あるが、屋内でも速度計測サイトで受信が100kbpsを切ることはめったにない。

 ちなみに筆者はイー・モバイル端末も併用する。それと比べると高速だとはまったく感じないし、筐体内にW-SIMを収めている影響なのか、感度もあまりよくないようだ(同じ場所でW-SIMをDDに差し替えて通信すると最大約20%も速度が向上することがある)。しかし、一般的なWebサイト閲覧用途に限定するならばそれほど大きな不満を感じないのも事実だ。通信機能も完全に内蔵されていると、やはり外出時や喫茶店などでもスマートに利用できる。

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photophotophoto 筆者宅で3回計測したWILLCOM D4の通信速度。上が標準のW-SIMを内蔵した場合、下がDDを利用してUSB接続した場合。DDを利用する方が確実に高速だった。W-SIMの設置位置を考えると仕方ないことのだろうか
photo ちなみにWILLCOM D4へDDをUSB接続するとこのような感じになる。さすがにこれで常用する気にはならない(もう少し長いUSB延長ケーブルなどを使えば少しはましかもしれないが、それも蛇足というもの)

 なお、オンラインサインアップの次に自動作成される「CLUB AIR-EDGE」でインターネット接続を利用する限り、ほかにISPなどとの契約は必要ないし、追加料金も発生しない。VPNなど一部のポートは遮断されているが、よくある動画サイトなどは問題なく利用できる(もちろん通信速度が遅いので動画再生は少し荷が重いのは否めないが)。

 一方で、WILLCOM 03などで可能なデータ通信中の着信は行えない。この機能に関しては賛否両論あるが、機能の有効/無効をユーザーが選択できるようになっていればいいと思うので、削ってしまった理由がよく理解できない。机上でなくても使えるのがWILLCOM D4の魅力のはずなのに、何かちぐはぐだ。

もちろん「よかった」もある

 とはいえ、「よかった」ももちろんある。

 1つはお盆前に購入者向け特典の大容量バッテリーが届き、バッテリー駆動でおおむね3時間は使えるようになったこと。これでようやく現実的なモバイル運用ができるようになったといえる。厚さはかなり増えるが、3倍のバッテリー容量はやはり魅力。大容量バッテリーを付けても重量はまだ約575グラムなので、Windows Vista搭載のノートPCとして考えるとやはり軽量である。

photophoto 大容量バッテリーを装着したWILLCOM D4。カバン重量増はまったく気にならないが、やや厚く、重くなるので手で持つと少し気になる(左)。大容量バッテリーはなんだかすごい方法で装着する。本来の裏面まで大容量分のセルが被さり、むりやりカバーで隠すような方法。カバーには放熱用のスリットが備わっている。こちらはもう少しなんとかできなかったのかなと思わないでもない(右)

 2つ目の「よかった」は発売当初から問題になっていた、休止や電源オフ時もバッテリーを結構消費する、いわゆる「バッテリーお漏らし問題」への対応が始まったこと。結局、アップデートするという形態で最大で2週間ほど預けることになるようだが、悩みの種の1つだったこの事象は改善するようだ。

 大容量バッテリーが届いてさぁこれからというところだが、筆者は入院アップデート後が本来のWLLCOM D4の姿だと思う。というわけで、元気になって退院するまでしばしお別れ。

えー。「これがほしかったのに」

 ……などと別れを惜しんでいたら、「WILLCOM D4 Ver.L」が出るのだという。

 「L」はおそらく簡易版といった意味を持つ“Light”の頭文字だと思うが、何か、これぞ筆者のほしかったWILLCOM D4だぁと思うと少し悲しくなった。PCの利用の目的に大半がインターネット利用になり、その利用スタイルに呼応するかのように、スマートにどこでもインターネット接続を可能にするWILLCOM D4。それに、いまさらやや高価なオフィススイートをバンドルすること自体、何か違うなとはうすうす思っていた。

 Office 2007をバンドルした事情、そして、なぜそれをやめてまで低価格版を投入するのかという事情はおそらく多くのWILLCOM D4ユーザーの想像どおりだと思うが、最初からこの選択肢があり(つまり大容量バッテリーも最初から標準とし)、かつ、USBシリアルドライバの不具合と“バッテリーお漏らし問題”が最初からクリアになっているならば、WILLCOM D4の評価はかなり違っていたのではと思う。

 もちろん、それをおおむね分かって発売日当日に好んで購入した筆者に、“Ver.L”の発売自体をとやかくいう権利はないよね、とは思ってはいますけどね。


 (次回に続く)

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