“UIごとサービス連携”で利用促進。auが狙うカスタムケータイの新市場神尾寿の時事日想・特別編(2/2 ページ)

» 2008年09月17日 13時03分 公開
[神尾寿,Business Media 誠]
前のページへ 1|2       

 例えば、サザンケータイでは、メニュー画面がサザンオールスターズの歴代CDジャケットをモチーフにしたデザインに変わるだけでなく、「“すべてのサザンファンのためのオフィシャルポータルサイト” sas-fan.net」へのリンクが用意される。またファイターズケータイでは、待受画面上のオリジナルガジェットに試合速報が配信されるほか、ユーザー限定のファンサイト「ファイターズプレミアムサイト」に簡単にアクセスできるようになっている。さらに今後は、おサイフケータイの機能を使った新サービスの提供も予定されているという。UIを丸ごと変えて、見た目でファン心理をくすぐるだけでなく、ファン向けのサービスにアクセスしやすいようにUIを作り替えることで、コンテンツの利用促進にもつなげているのだ。

ワイヤレスジャパン2008で展示されていたサザンケータイ

 auでは以前から「お客様が興味を持つ対象は、ユーザーひとりひとりによって異なる。コンテンツやサービスにアクセスする『窓口』は、お客様の興味ごとに複数あった方がいい」(KDDI取締役執行役員常務の高橋誠氏)と話していた。auのカスタムケータイは、この方針が色濃く反映されており、外観デザインやUIをファン向けに変えるだけでなく、専用のコンテンツやサービスがしっかりと用意されている。さらにメニューやau oneガジェットから、それら専用コンテンツやサービスへ“誰でも・簡単にアクセスできる”ように配慮されているのだ。ユーザーニーズに寄り添う形で、外観デザインからUI、コンテンツサービスまでシームレスにつなげることにより、ファン心理を満足させた上でコンテンツ利用の促進を図っている。

 携帯電話のコンシューマ市場では契約者総数が1億の大台を突破しており、今後さらに契約数を伸ばしていくのは困難だ。しかしその一方で、「電話」と「メール」以外のコンテンツサービス市場は、積極的に利用できているユーザー層が全体の3割前後と、まだ多くの伸びしろが残されている。

 カスタムケータイは、ターゲットとなるファン層に自らが入らないと、その訴求力や効果についてピンとこない。しかし、auのように「サービス連携」を重視した仕組みを用意し、地道にその対象セグメントを増やしていくと、着実に「データARPU」と「コンテンツARPU」の底上げにつながってくる。auが狙うカスタムケータイの新市場は、今後のコンシューマ市場向けの携帯電話ビジネスにおいて、重要な分野の1つになりそうだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月11日 更新
  1. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  2. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  3. KDDIからの独り立ちを目指す楽天モバイル、ローミング交渉の現在地――両社の考えを整理 (2026年08月10日)
  4. ソニーに聞く「Xperia 1 VIII」の裏側 デザイン刷新や20万円超えの理由、物議を醸したAIカメラ新機能の真相 (2026年08月10日)
  5. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  6. ハイエンドスマホ「arrows Alpha」、IIJで半額以下の3万円台に 11月4日21時59分まで【スマホお得情報】 (2026年08月10日)
  7. NHK受信料パトカー・消防車から徴収問題、猛反発を受け「検討を進めていく」と会長 (2026年08月07日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. 楽天モバイルのローミングは「予定通り9月末に終了」 ただし「ルーラル限定で継続」の可能性も (2026年08月07日)
  10. 楽天モバイルの「営業損失」と「解約率」は改善を継続――楽天グループが2026年度第2四半期決算を発表 (2026年08月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー