日本自動販売協会(JAMA)は9月25日、エム・ピー・ソリューション(MP)、NEC、サンデンとともに、複数の電子マネーに対応した自動販売機の設置の全国展開を2008年10月から開始すると発表した。
JAMAでは2007年4月より、複数のFeliCa電子マネー※に対応した自動販売機用マルチリーダー/ライターの開発、後方センターの共同構築・運用を進めるプロジェクトを進めていた。
本プロジェクトでは、リーダー/ライターの開発と後方センターの構築・運用をNECが、機器の開発・供給をサンデンが担当しているほか、アペックス、伊藤園、大蔵屋商事、キリンビバレッジ、コーシン、ナショナル・ベンディング、八洋、アサヒ飲料、サッポロ飲料、サントリーフーズ、ネオス、ポッカコーポレーションの12社が参加している。これら12社が管理する自動販売機は現在約130万台あり、このうち約50万台を2010年度末までに複数の電子マネーに対応させることを目指す。
電子マネー対応の自販機を設置する場合、MPを通じて各電子マネー事業者と一括契約を行う。10月段階で利用できるのは、iD、Edy、VISA TOUCH(スマートプラス)の3種類。仕様では最大8種類まで電子マネーを選択できるようになっており、プロジェクトでは今後も対応電子マネーを増やしていく予定だ。
自動販売機のFeliCa電子マネー対応は、ユーザーにとっても自販機運営者にとってもメリットが大きい(参照記事)。特に自販機運営者にとっては、利用者が小銭の持ち合わせがない、お札を崩したくないといった場合の機会損失を防げるほか、小銭を管理するコストを減らせる、自販機荒らしへの抑制になるといったメリットがある。しかし従来はFeliCa用リーダー/ライターが高価である上、個々の電子マネーに対応するものがほとんどだったため、導入に踏み切れないという現状があった。
複数のFeliCa電子マネーに対応する自販機を設置する取り組みとしては、日本コカ・コーラが一部の自動販売機で、Cmode、iD、Edyへの対応を進めており、2008年末までに約7万台を設置する予定だ(参照記事)。このほか日本コカ・コーラでは、2009年末までにSuicaなど複数の電子マネーに対応する自動販売機を約3万台設置するとしている。
現在日本にある飲料用自動販売機は約200万台。JAMAのプロジェクトが予定通り進めば、JAMAの参加企業(上述の12社)が50万台、日本コカ・コーラが10万台の自販機を複数のFeliCa電子マネーに対応させることになり、このほかSuica、Edyなど単独の電子マネーが利用できる自販機を合わせれば、全国の約3分の1の自販機がFeliCa電子マネーに対応することになる見込みだ。
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