中国で「P&T/Expo Comm China 2008」開幕──再編後の中国3大通信事業者、その動向はP&T/Expo Comm China 2008(2/3 ページ)

» 2008年10月22日 15時48分 公開
[山根康宏,ITmedia]

W-CDMA免許取得とサービスインを目指す──中国聯通

photo 中国聯通ブース

 中国聯通(China Unicom/チャイナユニコム)は、移動体系の旧中国聯通のGSMサービスと固定系の中国網通(CNC)の両社が合併した新会社。これまで主力としてきたCDMAサービスを中国電信へ売却したこともあり、移動体サービスはこれから巻き返しを図る必要がある。そのため、ブース内の展示は旧中国網通のADSL関連サービスも一部見受けられるものの、携帯電話向けの新サービスに大きなスペースが割かれ、それを強くアピールしていた。

 中でも注目を集めていたのが、近距離無線通信の国際規格「NFC」(Near Field Communication)を利用したサービスのデモ。日本で言う、いわゆる「おサイフケータイ」だ。

 NFC対応端末以外に、SIMカードに貼り付けるアンテナとともに利用することで従来の携帯電話でも利用できるので、新たに端末を買い換える必要がないメリットなども謳う。日本のおサイフケータイなどと同様に、鉄道やバスといった公共交通機関やコンビニエンスストアなどでの少額決済に利用できる。広州や大連など4都市ですでにサービスが開始され、2008年10月から重慶でも始まるなど、順次全国へエリアを広げていく予定とのことだ。

photophoto NFC搭載ケータイのデモ。SIMカードに貼るアタッチメントとともに利用することで、NFC非対応の携帯でも使えるようにすることで普及促進を図る考えだ

 また、W-CDMA/HSDPA回線によるモバイルブロードバンドサービスの実演も行われていた。同社はまだ3G免許を取得していないが事業者再編の完了後に免許が交付されると見られ、その折にはW-CDMA方式を採用すると言われている。展示されているHSDPAモデムにもすでに中国聯通のロゴが入っており、2009年中にもW-CDMAサービスを始めたい意向を示している。

photophoto HSDPAサービスのデモ。下り実測2〜3Mbpsの速度を出していた(左)。モデムはすでに中国聯通のロゴ入り。ほぼ製品版とも言えるものがデモに用いられていた

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