「WILLCOM D4+MapFan Navii」は、どこまで“カーナビ”になるか(後編)(2/3 ページ)

» 2008年12月25日 18時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 オンデマンドVICSは、取得するとすぐ渋滞情報が表示される。普段は“自動取得”にしておくとよいだろう。当初はウィルコムの通信網だと高速道路走行時の受信などにやや不安を感じたが、実際に使ってみるとほぼ大丈夫。受信エラーのような状態になることはなく、渋滞情報の更新はきちんと行われた。また、専用カーナビのビーコン受信機(光、電波)で受信する場合と同じように渋滞情報をルート検索に反映することももちろん可能だ。

photophoto 赤く示される道が渋滞中、一般道と高速道路は色の濃淡で区別できる。順調表示を有効(右)にしておくと、VICSで渋滞情報が提供されていない道と、実際に渋滞していない道を区別できる

 この渋滞情報は、現在地を中心に周辺の渋滞情報を効率よく受信する印象。例えば東京都大田区池上あたりにいるとすると、西は神奈川県大和市あたりまで、東は東京都と千葉県の境になる江東区葛西あたりまで渋滞情報を取得していた。目的地までの移動経路にある渋滞を確認するには十分であり、かつ、走り始めてすぐ周辺の渋滞情報が確認できるのが大変便利だ。もちろん移動に応じて渋滞情報も随時更新されていく。

 一方、専用カーナビと比べると劣る部分はある。ビーコン受信機使用時に利用できる近隣の渋滞や規制といった文字情報(レベル1)や図形情報(レベル2)とともに、FM多重受信で利用できる広域情報、近隣高速道路の文字/図形情報などは利用できない。ビーコン受信機を用いる専用カーナビは情報受信時に自動表示されるのが一般的なので、情報量としてやや少なく、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの混雑情報もロゴ表示のみに留まる。MapFan Naviiで表示する渋滞情報はあくまで地図表示に限られるわけだ。

photo 画面の中央に2つある「P」マークがパーキングエリアの満空情報。200メートルスケール表示以下の地図上で確認できる(高速道路走行中だと、もう少し縮小スケールでも表示してほしいと思う)

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photophoto テレビ番組で紹介された場所を紹介する“テレビdeみ〜た”、ユーザー投稿されたおすすめの場所を紹介する“クチコミ特集”など、「MapFan Web」の情報をチェックできる。検索性が高くないのは少し残念
photophoto キーワード入力も可能。どのカテゴリの情報かは一覧左のアイコンで区別できる(おおざっぱでいいので、地域の絞り込みもできるとより便利なのだが……)
photophoto 探したスポットは、もちろんそのまま行き先に設定できる。詳細情報には営業時間なども含まれ、スポットによっては写真が登録されている情報もある
photophoto “ラストオーダー”の時間まで含まれている点はインターネット上の情報ならではだ

 MapFan Navii 通信オプションでもったいないと感じたのは、PC版WebサービスのMapFan Webにある、お気に入りスポットを登録しておく機能「ココメモ」が使えない点。据え置き型のカーナビと異なり、WILLCOM D4なら事前準備として自宅で設定しておく使い方も可能だが、WILLCOM D4ユーザーの多くは別途メインPCを持っていることがほとんど。これを直接MapFan Naviiから呼び出せるともっと便利になりそうである。

 とはいえ「通信機能を標準装備」するWILLCOM D4+MapFan Naviiは、Web利用においても通信料金面に不安が生じないところは大きなメリットだ。WILLCOM D4ユーザーのほとんどは「新つなぎ放題」を契約していると思われるので、パケット通信料は定額の3880円/月。もちろん、オンデマンドVICSは自動取得で構わないだろう。もちろん、もはや蛇足ではあるがいざというときはPCにもなる。

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