自社サービスの拡充でより競合するNokiaとRIMの戦略Mobile World Congress 2009

» 2009年02月27日 17時31分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 豊富な端末ラインアップに独自の自社サービスを続々と組み込むNokiaに対し、着々と端末ラインアップを増やし、パートナー企業の数や範囲の拡大を図るBlackBerry。Mobile World Congress 2009の展示で、今後両社が図る戦略を明確に見ることができた。

 Mobile World Congres 2009のNokiaブースは、数多くの端末とともに「Ovi」という名称で展開するコンテンツサービスのデモで大半が占められた。端末メーカーから総合的なモバイルサービスまで提供する形態に進化する狙いが明確に示された。2009年5月には、App Storeに対抗しうる、レコメンド機能も備えたアプリやコンテンツのダウンロード購入サービス「Ovi Store」を開始する。

photophoto Nokiaブースは、正面の目立つ位置に新モデルを含む「Eseries」を展示。「Nokia Messaging」や「Mail on Ovi」といったNokiaが展開するサービスに興味を示す来場者も多かった

 端末の展示は、Mobile World Congress 2009に合わせて発表された新機種が中心。中でもブース正面の目立つ位置にビジネス向けの「Eseries」が5機種が並ぶ。

 「Nokia E75」は横スライド型のQWERTYキー+ダイヤルキーを備えるのが特徴で、縦向きでコンパクトなストレート型、横向き+QWERTYキーで文字入力が行いやすいメール端末としても使える。「Nokia E55」は通常とは文字配列がやや異なるダイヤルキーを備えるストレート型端末。5列×4行のダイヤルキーそれぞれにアルファベットが2文字ずつ並ぶQWERTY配列となっており、予測候補表示機能などと組み合わせて、少ないキー操作で縦向きのまま文字を入力できる。

 ちなみにこのキー配列はBlackBerryの小型ストレート端末「Pearl」にも採用されている。Pearlはスタイリッシュなデザインで女性ユーザーにも高く評価されているそうだが、Nokia E55も9.9ミリの薄型金属ボディとともに、Pearlのターゲット層に真っ向から勝負を挑む端末といえる。

photophoto 「Nokia E75」は横スライド式のQWERTYキー+ダイヤルキーを備える(左)。キーにアルファベットを2文字ずつを配置する、縦向きQWERTYキー仕様の「Nokia E55」(右)

 このほか、日本でも発売するはずだったが中止となったQWERTYキー搭載の「Nokia E71」やE71のボディを樹脂素材に変えてコストダウンを図った「Nokia E63」なども展示されていた。

 Nokia E75とE55は、Nokiaのプッシュメールサービス「Nokia Messaging」用ツールをプリセットする。Nokia Messagingは、GmailやYahoo、主要ISPなど、ほぼ世界中のメールサービスのPCメールをNokia端末で利用できるようにするもの。BlackBerryのように専用サービスに加入する必要がない容易さが特徴となる。ちなみにNokia Messagingは、EseriesだけではなくS60プラットフォームのほぼ全機種で対応する。

 さらに、PCでも利用でき、Nokia端末でアカウントを作成できる無料メールサービス「Mail on Ovi」も便利そうだ。やはりNokiaはBlackBerryを含めた他社端末をねじ伏せるべく、自社端末向けのサービス強化をいっそう推進していくことが伺える。

端末ラインアップを拡充、コンシューマー層にもアピールするBlackBerry

 RIMブースは、BlackBerryの新機種展示と各ソリューション展開企業によるサービスのデモが中心に行われていた。従来はターゲットを主にビジネスユーザーに特化していた同社だが、最近は端末のラインアップやサービスの範囲を広げてきており、Mobile World Congressではかなりはっきりコンシューマー層まで見据えた製品展開を図る意思が見られた。

 BlackBerry端末はQWERTYキーボードを備えた「Curve」や細身のストレート端末「Pearl」に加えて、2008年の後半から新機種がいくつも登場。日本でも発売されたハイスペックモデル「Bold」、タッチパネル搭載の「Storm」、同社初の折りたたみボディ「Pearl Flip」などとともに、高解像度ディスプレイや高画素カメラ、無線LAN、Bluetooth、GPSなど、他社スマートフォンと比較しても見劣りない機能の製品が増えた。

photophoto BlackBerryを展開するRIMブース。端末やサービスの展示とともにビジネスソリューション系サービスのミニブースも多く人が訪れていた(左)。日本でも発売された「Bold」と小型モデルの「Curve 8900」(右)
photophoto タッチパネルを搭載し、メディアプレーヤー機能にも優れる「Storm」(左)、BlackBerry初の折りたたみボディを採用した「Pearl Flip」。女性層を主なターゲットに据える(右)

 一方のサービスはメールやセキュリティといったビジネス向けソリューションはもちろんだが、「Explore Life on BlackBerry」としてSNSや写真共有サービス、動画配信、ナビゲーションなど、コンシューマーにもニーズがあるサービスの展示も行った。なお、トータルナビゲーションサービス「NAVITIME」を展開するナビタイムジャパンがBlackberry端末向けサービスのデモを行うなど、サービスパートナーの広がりも強く感じられた。

photophoto コンシューマーを想定するPearl Flipは、「facebook」や「flicker」といったのSNSサイトと連携できる機能も搭載する(左)。日本のナビタイムジャパンは、BlackBerry対応のナビゲーションサービスをデモ展示。日本企業ならではのニーズに沿った細かいナビゲーション機能が売りだという(右)

 NokiaとBlackBerry(RIM)は、Appleの「iPhone」やMicrosoftの「Windows Mobile 6.5」対応端末など、多くのライバルと競えるサービスをかなり拡充していく姿勢が要所でかいま見られ、やはりそれが強く印象に残った。今後、端末メーカーがモバイルサービスも含めてを牽引していく状況はより進み、競争もさらに激しくなっていきそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月10日 更新
  1. 「iPhoneの調子が悪いです」の文言、なぜアイホンのFAQに? 実はAppleと深く関係 (2026年02月08日)
  2. 総務省有識者会議が「手のひら返し」な我が国への示唆――日本を国際標準から遅れさせたのは自らの愚策のせい (2026年02月08日)
  3. 「東京アプリ」で1.1万円分をゲット、お得な交換先はどこ? dポイント10%増量+楽天ペイ抽選が狙い目か (2026年02月05日)
  4. KDDI、楽天モバイルとの「ローミング重複エリア」を順次終了 松田社長が言及 (2026年02月06日)
  5. 楽天モバイル、1000万回線突破も残る「通信品質」の課題 5G SAの早期導入とKDDIローミング再延長が焦点に (2026年02月07日)
  6. Googleが台湾のPixel開発拠点を公開 「10 Pro Fold」ヒンジ開発の裏側、“7年サポート”を支える耐久テスト (2026年02月09日)
  7. 東京アプリ、PayPayがポイント交換先に追加される可能性は? 広報に確認した (2026年02月05日)
  8. ソフトバンク、短期解約を繰り返す「ホッピングユーザー」を抑制 その理由は? (2026年02月09日)
  9. 東京アプリ、PayPayとWAON POINTをポイント交換先に追加 交換時期は「決まり次第案内」 (2026年02月09日)
  10. 「小型iPhone SEを復活させて」──手放せない理由SNSで話題 どこが“ちょうどいい”と評価されるのか (2025年11月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年