ダブル・ワンセグを生かした機能として、裏番組を簡単にチェックできる「裏番組表」も搭載した。裏番組表はもう1つのチューナーで検索することで、他局の番組を一覧表示できる。これまでの機種では視聴番組の前後の情報しか表示できなかったが、大きく改善した。
ちなみに、従来の「Gガイド番組表リモコン」からもワンセグ視聴中に他局の番組情報を見られるが、「アプリなので起動に時間がかかる」(中川氏)ほか、番組の透過表示ができないので、裏番組表の方が使いやすい。
ダブル・ワンセグ以外では字幕表示も強化した。これまで、1画面に字幕を表示できるのは最大3行だったが、932SHは「字幕読むモード」に設定すると(縦画面で)最大11行の字幕を表示できる。「いかにもテレビっぽくなるサイクロイドスタイルは外出先では使いたくない、ワンセグ視聴中にイヤフォンを使いたくない、音を消したい、という人のために搭載しました」と中川氏は説明する。
「少し忙しくなりますが(笑)、2画面表示でも字幕は活躍します。左の表番組で音を聞きながら、右の裏番組は字幕で楽しむといった使い方もできます。サッカーは裏番組にして、アナウンサーが叫んでいるのを字幕で確認してから入れ替えたり……」(中川氏)
AQUOSケータイの“要”ともいえる画質にも注力した。液晶は923SHと同じフルワイドVGA(480×854ピクセル)の3.3インチNewモバイルASV液晶を搭載するが、932SHでは923SHよりも輝度を120%上げ、923SHではやや赤みがかっていた肌色の画質も向上。「実際の肌色以上に自然できれいになるようこだわった」(中川氏)という。
ワンセグ映像の「なめらかフレーム補間」は、923SHでは補間できなかった速い動きにも対応するよう強化した。「スポーツ番組で特に効果的」(中川氏)だという。
さらに、映像をより美しく処理する「リニアエッジ」も採用した。中川氏は「923SHでは、字幕の文字などにギザギザが入っていましたが、932SHではより広範囲のセルを拡大表示することで、より滑らかな映像を再現できるようになりました」と胸を張る。
AV機能を楽しむ上では、バーチャル5.1ch対応の3スピーカー(センター、左、右)も見逃せない。これはヤマハが開発した3スピーカー用の音場技術を採用して実現したもの。「音楽はステレオ音源なので、サウンドの広がりを出すというよりは、ステレオ感を強調したかった」と中川氏は狙いを説明する。
「ワンセグは家で見ている人がほとんです。つまり外部スピーカーで音を聞く人が多いので、今回はスピーカーにも注力しました」(吉高氏)
センタースピーカーは声の成分を主に抽出する仕様で、ワンセグやミュージックプレーヤー利用時に人の声(ボーカル)が特に聞きやすくなったという。
吉高氏は「スピーカーを搭載する位置も工夫した」と話す。センタースピーカーはヒンジ部、左右のスピーカーは本体の両側面にあるので、ディスプレイを回転してもスピーカーの位置関係は変わらない。こうした点もサイクロイドのメリットだと同氏は解説した。
「店頭のデモ機には音楽コンテンツ入りのmicroSDを入れているので(※製品版には同梱しない)、バーチャル5.1chのサウンドを試聴できるものもあります」(吉高氏)
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