ノートPCや携帯電話、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機など、いわゆるモバイル機器において重要なことは何か。それは、使う人にとって必要でそもそも便利なモノであるか、携帯するために小型であるか。最後にバッテリーの持続時間である。どんなに便利な機器も、バッテリーが切れたらただの物体になり下がる。
先日、UQ WiMAXを半ばむりやりクルマに設置して「車内LAN」環境を整えてみたが、意外と便利に使えた。ただ、なぜWiMAX Wi-FiゲートウェイセットはACアダプタ駆動のみなのかは今後に期待するとして、そもそもバッテリーで駆動してくれればもっと簡単だった。
それならばと導入したのが、日本トラストテクノロジー(以下、JTT)の万能モバイルバッテリー「MyBattery Book X」である。
MyBattery Book Xはとにかく万能だ。本体に8000mAh/3.7ボルト(よくある携帯電話のバッテリーの約10倍)の大容量リチウムイオンポリマーバッテリーを内蔵し、5ボルトを出力するUSB端子と10.5ボルト/12ボルト、16ボルト/19ボルトと、計3つの出力端子をする。さまざまなサイズのコネクタに差し替えられるアタッチメント式の出力ケーブルが出力別に5本付属し、3つの出力端子それぞれ同時に電力を出力できる。
そして、小型のボディも魅力だ。本体サイズは75(幅)×112(奥行き)×23(厚さ)ミリ、重量約225グラムで、サイズはひと昔前のデジタルカメラほど、重量はよくあるマンガ単行本1冊ほどとなる。JTTの従来モデル「MyBattery Book」(重量約450グラム)や「MyBattery Book n」(重量約380グラム)と比べると携帯性が格段に向上し、これならカバンに常時入れておくのも苦にならないと思われる。
出力電圧別の出力容量 | |
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DC 19ボルト | 約1500mAh |
DC 16ボルト | 約1500mAh |
DC 12ボルト | 約1500mAh |
DC 10.5ボルト | 約2800mAh |
USB 5ボルト | 約5900mAh |
コネクタは、5ボルト/10.5ボルト用が外径3.5ミリ/内径1.35ミリ(以下同)、4.0ミリ/1.75ミリ、4.75ミリ/1.75ミリ、5.5ミリ/2.1ミリの4種類、12ボルト/16ボルト/19ボルト用が4.0ミリ/1.75ミリ、4.75ミリ/1.75ミリ、5.5ミリ/1.75ミリ、6.5ミリ/1.35ミリ、6.5ミリ/3.0ミリ、7.4ミリ/0.6ミリ、そして5.5ミリ/2.5ミリ(接続ケーブルに標準装備)の計7種類を用意し、接続機器の電圧や端子サイズに応じて差し替えて使用できる。
JTTによると、5ボルトのUSB出力は最大1000mAまで出力可能(5ボルト出力時は約5900mAhの容量になる)だという。まず試したかったWiMAX Wi-Fiゲートウェイセットは、MyBattery Book Xで見事バッテリー駆動できた。
WiMAX Wi-Fiゲートウェイセットを用いたバッテリー駆動時間の実測値は、無線LAN接続した2台のPCでITmedia PC USERとITmedia Mobileの2サイトを2タブ分、それぞれ30秒間隔でアクセスし続けたテストで約6時間9分(TCP Monitor Plusで計測)、動画再生も含めた大量にWebアクセスを行う通常業務時も4時間半から5時間ほど駆動した。
なお、同様の利用シーンを想定する無線LANルーター機器である「PHS300」(公称値は1800mAhの付属バッテリーで約1.5時間駆動)やウィルコム「どこでもWi-Fi」などはそもそもバッテリーで駆動し、かつ交換できるのもメリットだが、これらに対して単体でこれだけバッテリーが持つならばどうだろう。十分な実力だと思う。
今回はMyBattery Book Xの試作機で試用した。標準USBケーブルと4.75ミリ/1.75ミリコネクタが欠品していたため、USBケーブルは市販の汎用USB充電器用のケーブル、USB−5.5ミリ/2.1ミリコネクタと4.75ミリ/1.75ミリ端子付きのUSBケーブルは秋葉原の電子パーツ店で入手したものを使用している。
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