現在のところ、「つながれば意外と速い」WiMAXだが、「つながるところが限られている」という弱点も抱えている。特に屋内で利用する場合、UW WiMAXの電波は窓際にWiMAXのモジュールを置かないとまず捉えられない。自分の家ならば、場所を移動すれば何とかなるが、UQ WiMAXを使う場所として想定される“街の喫茶店”では、窓際が空いていないと、「ああ、別な店を探してみよう」となる。
こうした“室内の悩み”を解決するために、UQコミュニケーションズは、「WiMAX Wi-Fi ゲートウェイセット」を用意している。これは、外に向いているネットワークがUQ WiMAXに限られる以外、機能や使い勝手は通常の無線LANアクセスポイントとほぼ同じになる。現在、UQコミュニケーションズが用意しているWiMAX Wi-Fiゲートウェイは沖ネットワークスの「UG01OK」で、無線LANルータ本体に用意されたUSBに専用のUQ WiMAX接続モジュール「UD01OK」を差して利用する。
WiMAX Wi-FiゲートウェイセットをUQ WiMAXが受信できる場所に1台置いておけば、室内にあるPCはWiMAX Wi-Fi ゲートウェイと無線LAN(IEEE 802.11b/g)でUQ WiMAXによって外部のネットワークと接続できるようになる。「室内でUQ WiMAXが使えない!」という問題はこれでほぼ解消できる。
UQコミュニケーションズでは、WiMAX Wi-Fiゲートウェイセットのモニター募集を4月3日から4月12日にかけて、同社のWebページで行っている(モニター発表は4月20日ごろ、4月下旬から順次発送を開始する予定)。今回募集するモニターの人数は1000人で、募集条件やモニターが行う作業は先日募集された5000人の無料モニターを同じだ。サービスエリア内に住んでいる20歳以上の個人ユーザーが対象で、モニターにはWiMAX Wi-Fiゲートウェイセットが無料で提供される。
4月下旬からモニターに向けて配送される予定のUG01OKのパッケージは、すでに販売も始まっているUQ WiMAX対応モジュールと同じカラーリングで光沢のあるケースになる予定だ。パッケージに収録されているのは、Wi-Fiゲートウェイ本体とUSB接続のUQ WiMAXモジュール、Wi-Fiゲートウェイ用のACアダプタ、注意書きとUQ WiMAXモジュール導入、Wi-Fiゲートウェア導入がそれぞれ1枚の紙に記載された説明書、詳細マニュアルが収録されたCD-ROMだ。
USB接続のUQ WiMAXモジュールは、単体でもノートPCに差して利用できる。Wi-Fiゲートウェイと同じ沖ネットワークスの製品だが、導入の方法はすでに登場しているNECアクセステクニカのUQ WiMAXモジュールと同じで、USBにモジュールを差すと自動でインストール処理が始まり、ドライバや接続用ユーティリティ「UQ WiMAX Connection Utility」が導入される。屋外では、UD01OKを携帯してUQ WiMAXを利用することになるだろう。
Wi-Fiゲートウェイセットを使い始めるときも、本体に用意されたUSBにUD01OKを差すだけでいい。UQ WiMAXモジュールも含めたユニットの初期化処理が自動で行われ、ステータスインジケータでUQ WiMAXの電波を捉えたことを確認したら、PC側の無線LANアクセス設定を行えばいい。こちらの作業は従来の無線LANルータと同じで、WiMAX Wi-Fiゲートウェイに用意された向上出荷時設定のSSIDとWEPキーを利用して接続を確立する。ドライバの導入やユーティリティの導入は必要ない。WiMAX Wi-Fiゲートウェイの設定も従来の無線LANルータと同じく、ユニットに用意されたWebサーバにアクセスして、そこからWebブラウザを介して行うことになる。設定できる項目も従来の無線LANルータと同じ内容だ。UQ WiMAXのための特別な設定項目は特に確認できなかった。
UQコミュニケーションズでは、WiMAX Wi-FiゲートウェイセットはACアダプタを接続して使うこととしているが、今回評価したサンプル機材には、バッテリー用インジケータやバッテリーパックをセットできるベイが用意されている。製品版でこれらが搭載されるかは不明だが、少なくともパッケージにバッテリーパックは付属していない。ただ、外出時によくありそうな喫茶店での利用などを考えた場合、WiMAX Wi-Fiゲートウェイセットがバッテリー駆動に対応して持ち歩けるのなら、UQ WiMAXにアクセスできる「店内エリア」が格段にアップすることは間違いないだろう。
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