イー・アクセスは5月14日、2009年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比39.8%増の944億6700万円、営業利益は前年同期比135.7%増の167億1200万円を記録。経常損失は前年同期から57億7400万円減って25億9000万円となった。
2009年3月期の大きなトピックは、2008年7月31日に発表したアッカ・ネットワークスの合併だ。これにより、ADSLの契約数は2009年3月末時点で256万になった(イー・アクセス単体の契約数は176万)。ADSL市場では、契約者数が鈍化・減少傾向にあったが、景気後退などにより消費者の節約志向が強まって、FTTHより安価なADSLが見直され、純減数が改善したという。アッカは2009年6月25日にイー・アクセスを存続会社として吸収合併する。
モバイル事業を営む子会社のイー・モバイルは、人口カバー率が90.4%(ドコモによるローミングエリアを含むと約96.0%)に達するなど、順調にサービスエリアを拡大。またNetbookとデータカードのセット販売が順調に推移し、2008年4月から2009年3月までに99.8万件の契約純増を獲得した。これにともない、イー・アクセスのデバイス事業部門で端末販売台数が増加し、11億3000万円の営業利益を計上するに至っている。
ただ純損失は、前年同期に46億4100億円を計上したイー・モバイル株式の売却益がなくなる影響や、アッカとの統合関連費用や固定資産除却損などの特別損失が増加することなどによって、34億9700億円拡大して、98億4900万円となった。
2010年3月期は、引き続きADSLの純減が緩やかになることで、売上高の減少が減ると予測。ただ、イー・モバイルの契約数の増加が、単価の安いデータ通信カードが中心となるため、売上高の予想は114億6700万円減の830億円とした。営業利益は8800万円増の168億円と予想している。経常利益は、イー・モバイルの経営成績が改善することから、100億円を見込み、純利益も40億円と、3期ぶりの黒字を見込んでいる。
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