iモードは“黒船”が追いつけない領域に進化している――ドコモの阿佐美氏ワイヤレスジャパン2009 キーパーソンインタビュー(4/4 ページ)

» 2009年07月17日 17時25分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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ソフトウェアバージョンアップをどう考えるか

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ITmedia iモードはこのところ、一気にさまざまな機能が追加され、私も半年ごとに6万円くらいで新端末を買わなければならない状態なのですが(苦笑)、そろそろiPhone OSのように機能の追加や改善をソフトウェアバージョンアップで行えるようにしてほしいと感じています。「新端末への買い替えで新しいサービスを提供する」といのは、販売奨励金で端末の値引き販売をしていた時代の考え方ですから。

阿佐美 ご指摘のとおりで、新端末に買い替えないとiモードの新機能を使えない――というのは時代遅れ(の考え方)になってきています。最近では、新端末を購入した人は新しい端末なりに、過去の端末でもそれなりに使えるサービスを提供することが重要だと考えてます。

 電話帳お預かりサービスなどはまさにそれで、昔の端末は昔の端末なりに利用でき、新端末では+αのサービスを使えます。BeeTVはiモーションが使える端末はすべて対象端末になっています。

ITmedia なるほど。iPhone OSほどドラスティックではないにしても、iモードの新機能を新機種に買い替えなくても使えるようにすることにはすでに取り組んでいる、と。今後も取り組みとして強化するお考えですか。

阿佐美 端末の買い替えサイクルが長引く中、新端末だけに対応するサービスでは普及の速度が下がってしまいます。まさにiコンシェルがそれで、そういう意味ではなるべく多くのお客様に使っていただけるようなサービスで、(販売済みのモデルも含めて)多くの端末に対応させることが重要になると思います。

 エアダウンロードは現状、不具合の修正に使っていますが、新機能を追加する用途についても社内で検討しているところです。

「iモードは不滅」――エコシステム全体で進化していきたい

ITmedia iモードは次の10年、どのような姿になるのでしょうか。

阿佐美 むかし某野球チームの監督が(現役引退の時に)言ったセリフを借りますと、「iモードは不滅です」といったところでしょうか。iモードは進化し続けます。これからオープンOSの世界や他事業からさまざまなレイヤーの方が入ってきても、iモードが縮小していくことはないでしょう。

 我々の強みは、お客様への戦略的なアプローチを現実に進めているというところにあります。常に市場の変化を見ながら動いているので、ここをしっかり見ていただきたいですね。コンテンツホルダーの方々も、実際に端末をお使いになっている方々も、継続的にiモードをお使いいただければ、不滅であるとともに(一緒に)進化し続けることができるでしょう。

ITmedia 一方で、コンテンツプロバイダやiモード・エコシステムに関わる企業は、ビジネス感覚を変えていく必要はありそうですね。

阿佐美 それはもちろんです。例えば我々も、(コンテンツプロバイダが)何十社かしかいなかった時のモデルのままの考え方もあったわけです。それが今、1万7000くらいサイトがあり、そこまで膨れあがると考え方を変えていかなければならない。我々もただ「数が多くなったのだから仕方がない」というのではなく、いかに多くなったサイトとお客様のマッチングを取るかというところをしっかりとやっていく必要がある。そのために継続的に新しいサービス提案をしていきます。

 ドコモはコンテンツプラットフォーム、エコシステムの最先端をいっているので「コンテンツプロバイダも一緒に変わっていきましょう」ということですね。

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