受信メールの文脈を解析して返信メールを自動で作成――。NTTドコモが展示している「メールエージェント」は、ユーザーに代わってメールを作成してくれるサービス。定型文を使って数タッチで返信できる機能はあるが、メールエージェントなら“ノータッチ”で返信できる。文字入力の手間が省けるのはもちろん、「返信したいのにできない」といったシーンでも重宝する。
メール送信するのは“1往復”のみで、メール送信→返信メールを自動送信という流れで終わる。(当たり前だが)返信メールの応酬が延々と繰り返されるわけではない。
メールエージェントはiモードメールを利用したものなので、メールの相手は他キャリアのユーザーやPCでもよい。サービスは現時点では試作段階で、サービスインに向けて開発が進められている。


「メールエージェント」の概要(写真=左)。10時〜22時に(自分の端末に)スケジュールが登録されている前提でデモを実施(写真=中)。「運転中に不在着信した場合の返信メール」「通話中の返信メール」「マチキャラを使った返信メール」といったデモも行っていた(写真=右)返信メールはあらゆるメールに対して作成されるのではなく、自動作成されるのは「お誘い」や「あいさつ」などのメールに限られる。受信メールの内容はもちろん、日時やスケジュールなど、さまざまな情報に基づいて返信メールが作成される。その主な内容は以下のとおり。
デモンストレーション中に分かりやすい例として説明されていたのが、登録したスケジュールとの連動。例えば19時〜22時のスケジュールに「デート」と登録していた場合、その時間に「19時に食事をしないか」といったメールを受信すると、「デートのため行けない」という返信メールが作成される。返信メールの作成と同時に現在地を測位し、「今ここにいます」といった位置情報に即したメールも作成できる。なお、デモでは便宜上、最後に測位した位置情報が使われていた。



もとの受信メール(写真=左端)と自動作成された返信メール。返信メールは件名に「end」と表示される(写真=左中)。返信メールを送信した旨のメッセージが待受画面に現れる(写真=右中)。位置情報の自動返信もできる(写真=右端)アドレス帳に登録した人ごとに、返信メールの文言をプライベート(友達)用と仕事(上司)用に設定できるのも特徴の1つ。プライベート用だとフレンドリーな口調に、仕事用だと丁寧な口調になる。このほか、設定中のマチキャラの口調にも変更でき、マチキャラを設定してメールを送ると、メール本文の最後にマチキャラの名前が表示される。
このほか、通話中の場合と運転中(ドライブモード設定時)に着信して相手が出なかった場合、それらの旨のメールを自動返信する機能もある。また、スケジュールに予定が入っているときに不在着信があった場合にも、応答できない旨のメールが自動返信される。
すべての受信メールに対して返信されるのではなく、「アドレス帳に登録した人だけなど、何らかの設定が設けられる予定」(説明員)。このほか、メールエージェント機能のオン/オフと、オンにした場合は返信メールを作成後に即送信する、指定した時間の経過後に送信するといった設定も可能。お誘いメールに返信する場合、「了解」「保留」「拒否」という3択によるメール作成もできる。
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第14回 メールの“作成/返信→送信”を高速化するCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.