PHS事業を展開するウィルコムは2月18日、会社更生法の適用を東京地裁に申請した。負債総額は2060億円(2009年12月末時点)で、通信事業者の負債規模としては過去最大となる。
PHS利用者の減少にともない経営が悪化していた同社は、高速通信規格XGP(次世代PHS)を使った「WILLCOM CORE XGP」の本格展開を目指し、山手線内の一部地域で商用利用を開始していた。また、NTTドコモのW-CDMA網(FOMA)を使ったデータ通信サービス「WILLCOM CORE 3G」を展開するなど、加入者増加に向けた施策を行ってきたが、主力であるPHS事業の悪化を補いきれなかった。同社は2009年9月24日に事業再生ADRによる再建を図ることを発表し、協議を進めてきたが、同手続での再建を実現するには至らず、会社更生法の適用を申請した。
今後は企業再生支援機構とソフトバンク、投資会社のアドバンテッジパートナーズなどの支援を受け、再建を目指す。なお、ウィルコムは利用者に対して従来通りのサービスを継続して提供するとしている。
同社の1月末時点での契約数は、PHSが424万800件、WILLCOM CORE 3Gが8万5200件。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.