イー・モバイル、10月に下り最大42MbpsのDC-HSDPAサービスを開始

» 2010年07月06日 17時24分 公開
[園部修,ITmedia]
Photo 左からイー・モバイル 取締役副社長の阿部基成氏、イー・モバイル代表取締役社長のエリック・ガン氏、日本エリクソンのモーガン・カービー氏

 イー・モバイルが7月6日、国内初となるDC-HSDPA方式を用いた下り最大42Mbpsの高速通信サービスを、10月から提供すると発表し、技術デモを披露した。

※イー・モバイルが採用した通信規格の名称は、「DC-HSPA」ではなく「DC-HSDPA」でした。お詫びして訂正いたします。(7/6 20:30)

 DC-HSDPA方式とは、HSPA+で利用する通信帯域(5MHz幅)を2つ利用することで通信速度を2倍に向上させる技術。これを順次導入し、「国内最速」(エリック・ガン社長)の高速通信サービスを全国に展開する。実際に商用サービスを展開しているイー・モバイルの屋内ネットワークを利用して行ったデモでは、下りで約40Mbpsを記録した。実際の利用シーンでも、理想的な環境であればこれくらいの速度が出るという。

※初出時に「上りで約500kbps」と記載していましたが、データをほとんど送信していない状態での数値でしたので削除しました。お詫びして訂正いたします(7/6 20:30)

PhotoPhotoPhoto イー・モバイルが他社に先駆けて下り最大42Mbpsのサービスを開始する。契約者数は2010年6月中に250万を超えたという
PhotoPhotoPhoto 実際のサービスの通信速度でも他社のサービスより優位であることをアピール。さらに、次の42Mbpsサービスでは、環境がよければ下り(受信)速度が最大で40Mbpsを超える様子を披露した。デモにはQualcomm製のUSB接続型端末が用いられていた

 イー・モバイル代表取締役社長のエリック・ガン氏は今回のデモ開催にあたり、6月末時点でイー・モバイルの契約数が250万契約を突破する見込みであることを紹介。これに合わせて、ユーザーが快適に各種サービスを利用できるよう「快適化計画」として2つの施策を実行することを発表した。1つが、すでに発表済みの帯域制限だ。24時間で通信量が300万パケット(366Mバイト)を超えるようなユーザーは、当日21時から翌2時までの通信を制御し、通信速度を下げる。もう1つが、この日発表した42Mbpsの高速サービスだ。

 「サービスを高速道路に例えると、帯域制御(通信速度制限)は大型トラック(ヘビーユーザー)向けの登坂車線のようなもの。さらに42Mbpsのサービスは、既存ユーザーに影響を与えずに速く走れるように、車線を2倍に増やして提供する」(ガン氏)

PhotoPhotoPhoto 加入者数が250万を突破するのに合わせ、ユーザーが快適に各種サービスを利用できるよう「快適化計画」として2つの施策を実行する。帯域制限はヘビーユーザーがトラフィックを占有するのを防ぐためのもの。42Mbpsサービスは車線を2倍にしてより速く快適に利用してもらうためのもの。国内最速のサービスをDC-HSPAで実現する

 サービス開始日や料金、対応端末など、詳細は2010年の秋に発表する。なおイー・モバイルでは、2012年をめどにLTEのサービスを始める計画だが、DC-HSPAはそれよりも速く同程度の速度が出せるサービスということで、先行して導入することにしたという。

Photo 詳細は秋に発表

 42Mbpsサービスの提供エリアは、当初は大都市圏が中心になるとのこと。その後約1年で人口の60〜70%をカバーする計画だ。料金は他社のLTEサービスなどの料金もにらみつつ検討していくとしており、明言を避けた。ただ、阿部氏は「最近は『Pocket WiFi』などの製品も、お客さまにはフラットレートを中心にご案内しているので、42Mbpsサービスも基本的にはフラットレートになるようにしていきたいと考えている」と、定額での提供を考えていることを示唆した。

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