スマートフォンで雑誌のようなコンテンツを閲覧する場合は、横画面で見開き表示になるとかなり表示が小さくなってしまうため、1ページ分を横幅にフィットさせる「横フィット表示」モードを新たに用意した。また書籍の本文に意味が分からない言葉などがあった場合は、最大20文字までの文字を選択して「Web検索」を実行することで、スマートフォンの通信機能を利用して検索が行える。
蔵書の管理はGALAPAGOS App内にある「ブックシェルフ」を利用する。ブックシェルフはタイトルや著者別のリスト表示が可能なほか、しおり/マーカー一覧、未読、お気に入りなどの項目別に書籍データをリストアップできる。メディアタブレットに用意されていたGALAPAGOS Stationとの連携機能はなく、基本的にスマートフォンとクラウドサービス上ですべての操作が完結する。
このほか、メディアタブレットでは使用開始前にユーザー登録とクレジットカードの登録が必要だったが、スマートフォン向けのGALAPAGOS Appでは、使い始めのハードルを下げるため、「ゲストモード」を用意した。
ゲストモードは、起動時に促されるユーザー登録で「後で登録」を選べばよく、アプリの使い勝手やストアの配信コンテンツが、面倒な手続きなしに確認できるのもポイント。立ち読みをすればコンテンツの中身もビューアで確認できる。ユーザー登録は、書籍の購入や定期購読の申し込みをした時点で改めて必要になるが、最初にサービスの体験をしてもらうことで楽しさを体験してもらいたい考えだ。
対応機種が、メディアタブレット2機種、ブックリーダー1機種に加え、スマートフォン7機種にまで広がったことを受け、1つのユーザーアカウントには最大3台までのデバイスが登録可能になった。メディアタブレットで購入したコンテンツをスマートフォンでも閲覧したり、逆にスマートフォンで購入したコンテンツをメディアタブレットで閲覧したりすることが可能だ。
端末の認証はユーザーアカウントで行うため、同じアカウントを設定すれば複数の端末でコンテンツを楽しめる。移動中はAndroidスマートフォンで読み、家に帰ったらメディアタブレットの10.8インチホームモデルで続きを楽しむ、といったことも追加料金なしで実現できるわけだ。新聞など定期購読コンテンツも共有可能だ。なおGALAPAGOS AppにはPC用の管理ソフトGALAPAGOS Stationとの接続機能はない。これはスマートフォンが通信機能を持っており、単体でも容易にコンテンツサービスとの連携ができるためだ。ビューアとして位置づけられているメディアタブレットとは異なり、コンテンツの管理はクラウドサービス上で行うことになる。
マルチデバイス時代の到来を見据え、今後は液晶テレビAQUOSなどにもGALAPAGOSサービスの対応機種を広げていくシャープのクラウドメディア事業、GALAPAGOS。コンテンツも、電子書籍だけでなく映像や教育コンテンツなどに順次拡大し、ゆくゆくはEC(電子商取引)などもにも対応していく考えだ。
シャープが描く、メディアタブレットで買い物ができたり、スマートフォンで購入したコンテンツをテレビでも視聴できるような未来も、そう遠くない将来には現実のものとなる。独自のサービスと魅力的な端末の組み合わせで実現される新たなビジネスは、ユーザーにさらなる利便性と楽しみを提供してくれそうだ。
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