ミルモと電通、デバイスやOSを問わないコンテンツ配信プラットフォームをリリースWindows Phone “Mango”にも対応(2/2 ページ)

» 2011年07月01日 19時08分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
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端末メーカーやCPも期待する「ROTA2U」

 ROTA2Uの開始を前に、ミルモと電通は都内でリリース記念パーティーを開催した。登壇した電通 取締役常務執行役員の秋山隆平氏は、「ROTA2Uは、電通が新しい事業領域に進出していく取り組みの先駆けとなるプロジェクト。新たに設立されたプラットフォームビジネス局ではデジタルコンテンツ流通を柱としており、ROTA2Uではコンテンツの水平分業型ビジネスとして、CPや端末メーカーなど多くの事業者にメリットを提供できると確信している」と自信を見せた。

photophoto 電通の秋山氏(左)とミルモの横地氏

 続いてミルモ 代表取締役社長の横地俊哉氏が、「ミルモは、ネット向けのコンテンツ配信を手がけてきたメンバーが設立したベンチャー企業。どういった形のコンテンツビジネスがエンドユーザーにとって一番使いやすいのか考えてきたが、所有するさまざまなデバイスの違いを超えて、自分の好きなコンテンツを楽しめるのが理想ではないかと思う。こうした思いを、電通やマイクロソフトに汲んでもらい、3年かけてROTA2Uを完成させることができた。決して垂直統合型の“閉じた”コンテンツ配信サービスにするつもりはなく、コンテンツホルダーやCPと相談しながら、良いものにしていきたい」とあいさつし、さらに「国内だけでなく海外展開も行っていきたい。“クールジャパン”という言葉があるが、質の高いコンテンツをどんどん世界に出していくべきと考えている。スマートフォンではオープンなサービスがグルーバルで使われており、我々のROTA2Uも年内には中国・台湾に展開したい」と、海外展開への意気込みを語った。

photophoto マイクロソフトの佐藤氏(左)と横井氏

 ROTA2Uにクラウドサービスを提供する日本マイクロソフト クラウドビジネス事業部本部 業務執行役員の佐藤恭平氏は、「Windows AzureはBtoB分野では高い評価を得ているが、クラウドへのニーズはBtoC分野でも大きくなっている。ROTA2Uでは、マルチOSとマルチプラットフォームに対応する柔軟な運用のために、Windows Azureを選んでいただき、大変光栄に思う」とコメント。また、PlayReadyを担当する同 コミュニケーションズ・セクター 業務執行役員の横井伸好氏は、「PlayReadyは全世界で採用実績がある著作権保護のためのテクノロジー。マイクロソフトが作っているが“Windowsだけ”というわけではなく、PCの各OSのほか、スマートフォンやテレビやレコーダーなどにも対応している。さらに動画と音楽、電子書籍、ゲームの配信も可能で、まさにROTA2Uのビジョンと一致している。我々が今後のリリースを予定している『Windows Phone “Mango”』にも対応するなど、新しいデバイスでの協業をもっと深めることができればと思う」と期待を寄せた。

 パーティーにはゲストとしてメーカーやCPの担当者も来場。シャープ 通信システム事業本部 グローバル商品開発センター 商品企画部 部長の木戸貴之氏は「夏モデルで各キャリアから登場したAQUOS PHONEは3Dカメラを搭載しており、またタッチパネルにはQHD(540×960ピクセル)表示のディスプレイを採用している。この高精細なディスプレイを宝の持ち腐れにしないためには、質のよいコンテンツを配信してもらう必要がある。これは端末メーカーだけでは難しく、ROTA2Uのようなプラットフォームには大変期待している」とエールを贈った。

photophotophoto シャープの木戸氏(左)、日本エイサーの石川氏、HTC NIPPONの泉山氏

 日本エイサー プロダクト&マーケティングコミュニケーション部 部長の石川里美氏は「ROTA2Uがスタートする7月1日は、エイサーのICONIA TAB A500の発売日でもあり、我々にとっても記念すべき日。ICONIA TAB A500は完全にエンタテインメントにフォーカスした製品で、手軽に臨場感ある動画を楽しめる。また、ICONIA TAB A500限定で『APPLESEED XIII』を無料配信するので、ICONIA TAB A500ならROTA2Uを手軽に楽しめる」と魅力をアピールしていた。

 HTC NIPPON プロダクトマーケティング ディレクターの泉山英統氏は、「HTCでは、海外のタブレットやハイスペックスマートフォン向けに映像配信サービスの『HTC Watch』を提供している。最新のグローバルモデルを日本に投入する際には、高速通信を生かす動画配信コンテンツと、コンテンツを提供していただくCPとの協力関係が絶対不可欠。国内向け製品をROTA2Uに対応させることで、より高付加価値のスマートフォンを日本のユーザーにて提供したい」と抱負を述べ、そのROTA2Uに動画を配信するマイシアター 代表取締役の石井紹良氏は「マイシアターはこれまでにもPCやアクトビラ、ケータイ、スマートフォンなど、デバイスを問わない配信ビジネスを行ってきた。今後はROTA2Uをマイシアターのフラッグシップサービスと位置づけ、コンテンツ配信のマルチデバイス、マルチOS化を進めていきたい」と語った。

photophoto マイシアターの石井氏(左)、ナクソス・ジャパンの佐々木氏

 最後に登壇したナクソス・ジャパン 代表取締役社長の佐々木隆一氏は、「いろいろと課題が多いスマートフォンの世界に、ROTA2Uのようなプラットフォームが登場したことはコンテンツホルダーにとって非常に心強い。特に日本のコンテンツは海外で非常に弱いので、ROTA2Uの海外展開は積極的に(海外へ)打って出る良いきっかけになるのではないか」と、海外展開のチャンスが広がることに関心を見せていた。

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