NHN Japanは14日、スポンサー向けの施策として、「LINEマストバイ」を発表した。今春から試験提供を開始し、7月の正式サービス開始を目指す。LINEマストバイとは、スポンサー企業が提供する商品にQRコードとシリアルナンバーを付与し、購入したユーザーだけが特典のスタンプをもらえる仕組みのこと。従来のスポンサーが提供するスタンプは、無料での配布か、企業アカウントと友達になったユーザーのみがダウンロードできる形だったが、LINEマストバイの導入によって、商品やサービスとスタンプのダウンロードを直接ひも付けることが可能になる。
同社の執行役員 田端信太郎氏が「キャップの上にフィギュアを付けるボトルキャップなどのキャンペーンがあったが、それがスタンプになると思ってほしい」と述べているとおり、商品の“おまけ”としてLINEのスタンプを利用できるようになるのがスポンサーにとってのメリットだ。また、これまでは「キャンペーンとひも付けた費用対効果の測定が難しかったが、LINEマストバイを使えば何人がスタンプ欲しさに買ったのか、完全に測定可能になる」(同)ので、販促の効率化につなげることもできる。
スタンプは口コミで拡散する傾向があり、「ユーザー同士のトークの中で、持っていないスタンプを友達が使った場合、タップすればダウンロードのページに飛べる」(田端氏)仕組みになっている。田端氏によると、新規でスタンプをダウンロードするユーザーの44.4%が、トークを経由しているとのことだ。LINEマストバイで商品を購入してスタンプを取得した人がトークでそれを使い、友達が限定スタンプ欲しさに商品を買うという効果も期待できそうだ。
1月18日にユーザー数が1億を突破したLINEだが、国内でもすでに4000万人に利用されている。こうしたことから、企業アカウントに関しても強い関心が寄せられている。スタンプ全体ではユーザーの8割以上に活用されており、特に10代は企業アカウントや企業提供スタンプへの抵抗感も少ない。
また、実際にLINEがきっかけで店舗を訪問するユーザーは9%程度いるといい、着実にO2O(オンライン・トゥ・オフライン)のツールとしても定着しつつある。初期費用5250円、月額5250円で1万ユーザーまでが登録できる「LINE@」を提供するなど、小規模店舗への対策にも抜かりがない。まず規模の拡大を優先していたLINEだが、収益化に向けた取り組みも着実に進んでいることがうかがえた。
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