Intelブースで「Edison」「RealSense」に迫る2014 International CES(2/2 ページ)

» 2014年01月08日 15時49分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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EdisonとGalileo

 エンベデット的な展示では、「Galileo」と6日に発表した「Edison」に多くの来場者が注目していた。Edisonは、Intelが2013年9月のIDFに合わせて発表した、Atomシリーズより消費電力が少ないSoCラインアップの「Quark」シリーズをプロセッサとして搭載する。SDメモリーカードと同じスペースにQuarkプロセッサをはじめシステムメモリや無線LANモジュール、ストレージを実装している。

 Edisonはウェアラブルデバイスでの搭載を想定したプロセッサーだが、そのEdison採用のウェアラブルデバイスとして、乳児用「mimo」を展示している。Edisonシステムを組み込んだホルダーをベビー服に取りつけたmimoは、着用した乳児の体温や動きの情報を収集してAndroid、または、iOS端末に送信する。このほかにも、マグカップの底にEdisonを組み込んで、いれた飲み物の温度をマグカップに埋め込んだイルミネーションのアニメで知らせるなど、利用場面を紹介していた。

SDメモリーカードを同じサイズにシステム一式を収納したEdison。その採用製品としてベビー服に組み込んだmimoが登場する

 Quarkベースのプロセッサを実装したSoCとメモリ、ストレージ、外部接続するバスインタフェースを組み合わせて1台のPCにしてしまうのは、先行して登場したGalileoと共通する。システムボードを用意して外部デバイスを接続しやすいGalileoに比べてEdisonはより組み込み系に近い印象だが、インテルの関係者は、EdisonのOSやインタフェースなどはオープンソースを利用しているので開発用プラットフォームとして扱いやすいと述べている(動作するEdisonの展示機材はOSにLinuxを導入している)。

Galileoも実際に制御するモジュールを用意して説明をしているが、こういう「工作」的な遊び心がGalileoで最も面白いところだ

そして、KAGURAで体験する「Intel RealSence」

 2014 CESのIntelブースでは、日本人が開発したアプリケーションも展示している。「しくみデザイン」の中村俊介氏が開発した「KAGURA」は、Intelが実施した「Intel Perceptual Computing Challenge」コンテストでグランプリを受賞しており、中村氏は、6日のIntel CEOの基調講演とカンファレンスでゲストとして登場している。

 Intel Perceptual Computing Challengeは、6日の説明会や基調講演で発表した次世代のユーザーインタフェース技術「Intel RealSence」を構成する動作認識や顔認識を用いるソフトウェアの開発コンテストだ。コンテスト参加者は、Intelから赤外線によって対象物との距離を計れるカメラとIntelの顔認識や動作認識を制御するライブラリを収録した開発環境(Intel Perceptual Computing SDK)を使ってアプリケーションを開発した。

 KAGURAは、「楽器ができない私でも音楽を演奏したい」という中村氏が“ほぼ”自分のために作り上げたアプリケーションで、画面上に配置したリズムセクションのアイコンや音階を指定できるスライダーを動作認識を用いて操作することで楽器の演奏を楽しめる。

 KAGURAでは、動作認識でアイコンに触れて音を出すだけでなく、アイコンを“捕まえる動作”で配置を変更したりサムアップとサムダウンの動作認識でテンポを変えたりすることもできる。システムではカメラに用意した赤外線センサーで対象物との距離を把握できるので、操作の切り替えを「動作する手とカメラからの距離」で行っている。操作が切り替わる距離の“境界”を示すためにKAGURAでは、「水の中に手を入れる」視覚効果を取り入れることで、操作が切り替わる距離感を直感的に、かつ、無理なく認識することを可能にした。

KAGURAを“演奏”する中村俊介氏。操作の切り替えにカメラからの距離を利用するが、その切り替え認識を「水の中に手を入れる」という視覚効果で直感的に把握できるようにした


 2013 CESのインテルブースでは、クラムシェルタイプのUltrabookの展示に多くのスペースを確保していたが、2014 CESでは、スマートフォンとタブレットがほとんどとなり、その中に、GalileoやEdison、そして、RealSenceなどの新しい試みを取り入れている。Intelの注力する方向が大きく変わっている過程にあることを、展示内容からも感じることができるブース構成といえるかもしれない。

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