説明が一段落したら、会場そばのテニスコートに場所を移して、実際にプレイヤーにバボラプレイを使ってもらい、その結果をスマートフォンに転送して、どのようなデータを確認できるのかを確かめることになった。
数分間プレイした後に、ラケットとiPhoneの間でBluetoothのペアリングを済ませ、データをiPhoneに送信する。その結果を見ると、かなり細かいところまでデータとして記憶していたことが分かる。まずはプレイ時間、総ショット数、バックハンドとフォアハンドのそれぞれの数を確認できる。フォアハンド、バックハンドそれぞれ、トップスピンをかけた回数、スライスで打った回数、普通に打った回数も数えている。
ラケット面のどの部分にボールを当てたかということも記録している。アプリでは、ラケット面を5つに分割して、それぞれの部分にどれくらいの割合でボールが当たったのかを表示する。そのほかのいろいろな要素も計算して、プレイヤーの力量を「テクニック」「耐久力」「パワー」の3要素で表示する機能もある。
「テクニック」「耐久力」「パワー」の3要素は、インターネットのコミュニティに参加しているほかのメンバーと比較することもできる。このコミュニティはバボラVS社が運営しているもので、世界中のバボラプレイユーザーが参加している。また、コミュニティにはバボラVS社と契約しているプロプレイヤーのデータもある。
日本人にとって身近なスポーツである野球は、打率、防御率、打点など、さまざまな数字が残るスポーツであり、昔からその数字で選手を評価してきた。最近はセイバーメトリクスというデータ分析法が主流になりつつあるが、これも統計解析で選手個人の力量を評価しようという試みだ。
一方テニスは、試合の結果のほかには、選手の力量を計る基準がほとんどない。バボラVS社のセンサー付きテニスラケットは、テニスプレイヤーの力量を「数字」で計る時代の幕を開ける存在になるかもしれない。
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