CEATEC JAPAN 2014のシャープブースでは、人工知能を用いて、音声やテキストでさまざまなメッセージを発してくれる新機能「emopa(エモパー)」の体験コーナーを設けている。デモ機にはエモパーの体験アプリがプリセットされており、emopaが実際にどのように話しかけてくれるのかを確認できる。
emopaの対応機種は、当初はNTTドコモの「AQUOS ZETA SH-01G」とソフトバンクモバイルの「AQUOS CRYSTAL X」の2機種のみ。AQUOS ZETAは11月中旬、AQUOS CRYSTAL Xは12月以降の発売を予定している冬モデルだ。アップデートによる既存機種への対応は予定していない。その理由をシャープ担当者に聞いたところ、emopaの対応機種は、ユーザーの状況を把握するセンサーをCPUとは独立して稼働させるよう、専用のコプロセッサを搭載しているため。これにより、センサーが長時間稼働していてもバッテリーの消費を抑えられるという。
emopa対応機種のAQUOS ZETA SH-01GとAQUOS CRYSTAL Xは、別コーナーに実機も展示されており、操作感を試せる。AQUOS ZETAは「RICOH GR」開発メンバーの画質改善認証プログラム「GR Certified」を取得しており、実際にAQUOS ZETAで撮影した写真をプリントしたものも紹介している。
ほかに「AQUOS CRYSTAL」とAQUOS CRYSTAL Xで取り入れた、まるでフレームがないかのように見える「フレームレス構造」のディスプレイもアピール。数十台のAQUOS CRYSTALを重ねた“巨大ディスプレイ”に動画を再生するデモも実施している。2台のAQUOS CRYSTALに写真のサムネイルを表示している画面を見て、「これ、本物の写真でしょう?」と話している来場者もおり、初見では液晶画面だと信じられなかったようだ。
シャープが10月6日に発表した、7型、ワイドXGA(1280×800ピクセル)のMEMS-IGZOディスプレイを搭載したタブレットも参考展示している。2015年上半期に発売ということで仕様が確定していないためか、実機を操作することはできず、ガラス越しに確認できるのみとなっている。
このタブレットのディスプレイに採用したMEMS(微小電子機械システム)は、マイクロシャッターを使ってRGB(赤緑青)のLEDバックライトを1/10000秒と高速で開閉させる仕組みを持つ。これにより光の利用効率が上がり、低消費電力、優れた色の再現性(NTSC比120%)、外光下での優れた視認性といった特徴を持つ。表示内容に応じてシャッターの駆動速度を調整し、消費電力を最適化できるのもMEMSならでは。
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