方向音痴から誕生したモバイルバッテリーブランド「cheero」:「cheero Power Plus 3」発表!

» 2014年12月02日 17時44分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]

 低価格なのに高いデザイン性と品質、そして大容量――ティ・アール・エイのバッテリーブランド「cheero」に対して皆さんはそのような印象を持っていませんか?

 同社は12月1日に開催した「cheero感謝祭」で、大容量1万3400mAhのモバイルバッテリー「cheero Power Plus 3」を発表しました。発表に先立ち、取締役の東潤氏がcheeroブランド誕生のいきさつ、また今回発表したPower Plus 3開発にあたり苦労した点などをスライドを交えてプレゼンテーション。その様子を紹介します。

必要に迫られて生まれたバッテリー

 東氏は以前、折りたたみ自転車に乗ってあちこち飛び回っていたそうです。でも「方向音痴だったので、GPS機能はオンのまま。iPhoneのバッテリーが3時間くらいで切れてしまい、帰るのが大変ということを何度も経験しました」(東氏)というほど、バッテリー不足に悩まされていたとか。

 2010年当時、ノキアが自転車を使うダイナモ充電器を発売していましたが、摩擦が生じるてペダルが重くなってしまうのが難点。下り坂の時だけオンになっていればいいのでは? とそこではじめてモバイルバッテリー開発を思いついたそうです。しかし技術がなかったため、自分たちでの開発は断念。

 方向音痴な人には必須のGPS機能。しかしバッテリー消費量が激しくて……

 そこで、父親が経営している機械部品製作会社、ティ・アール・エイに話を持ちかけることに。同社の生産拠点は中国ですが、「長年の付き合いから品質には自信がありました」と東氏。

 それでもiPhone充電のために自転車から得られる電力を安定させるという課題が立ちはだかり、結局「自転車充電器」の開発は諦めることに。

 それでもモバイル端末のバッテリー問題を何とかしたい! とのことでたどり着いたのがモバイルバッテリー。当時出回っていたモバイルバッテリーは高価か、安かろう悪かろうのものだったため、「もっと安く高品質のものを提供できれば勝算がある」と東氏は感じたのです。

かわいい「チーロ」

東潤氏 ブランド名の由来を語る東潤氏

 ペットを飼うと父親の付ける名前がいつでも「チロ」だったという東氏。実は父親の享氏は鹿児島出身で、チロは「小さいもの、かわいいもの」を指す方言だそうです。

 当初は、ブランド名を付けないつもりだったそうですが「ブランド名を掲げることで製品品質に責任が持てる」という意見もあり、付けられたのが、チロをもじった「チーロ」という名前。スペルにローマ字の「chiro」ではなく「cheero」を選んだのは「はじめから海外進出を視野に入れていたので、『カイロ』と読まれないため」と東氏。

 メーカー名の由来を聞けば、cheeroのバッテリーに女性が持っていても違和感のないデザインが多いのも納得です。

追求したのは「安全性」と「軽さ」と……

 cheeroが作りたいモバイルバッテリーのコンセプト

 そんなcheeroですが、同メーカーが追求しているのはデザイン性より安全性。モバイルバッテリーの場合、品質が悪いと「発火」という大事故につながるからです。

 加えて、「軽さ」も追求しているとのこと。なぜならたとえ大容量になったとしても、重ければ誰も持ち歩かないからです。

 それらをかなえたのが、eneloopを作った三洋電機を買収したパナソニックのリチウムイオン電池だったとのこと。アルカリ乾電池と同じ大きさで5倍の容量を持ち、そして安全性も高いそうです。

 充電池部分が日本製のためコストが高くなってしまいましたが、その分、流通経路の徹底的な見直しとパッケージの最小化、「あまり使われていないのではないか」と思われるLEDライトや付属品の省略により「1円でも安く」を実現できたということです。

 こうしてPower Plusの第3弾「cheero Power Plus 3」が誕生しました。1万400mAhで290グラムだった「Power Plus 2」に比べ容量は約3割増の1万3400mAh、重量は2割減の245グラム。出力の合計も2.1Aから3.4Aへとパワーアップし、より早くスマホやタブレットに充電できるようになりました。

 容量は約3割増。でも2割コンパクトに
 パワーアップした出力系統

 プレゼン中、東氏が何度もスライド操作に手間取ってしまったり、Wi-Fiスポット接続画面が表示されてしまったりというハプニングも見られましたが、イベントは和やかな笑いに包まれていました。ここまでアットホームな雰囲気を出せるのも家族経営のなせる技でしょうか。

 普段、モバイルバッテリーにあまり関心のない層も、「ダンボーバッテリー」によって取り込むことに成功したcheero。今後の動きからますます目が離せないと感じるイベントでした。

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