KDDI系MVNOの動きが活発に――始動した「UQ mobile」と、改善を図る「mineo」の戦略石野純也のMobile Eye(12月8日〜19日)(2/3 ページ)

» 2014年12月19日 22時45分 公開
[石野純也,ITmedia]

ケイ・オプティコムも値下げ&データ量アップで対抗、新サービスも

 KDDI系のMVNOとして、先に参入していたケイ・オプティコムだが、料金プランではUQ Mobileに水をあけられた格好になった。同社のプランは1Gバイト、980円から。毎月1Gバイトが追加になるキャンペーンを実施していたため、事実上、UQ Mobileと同容量、同額になってはいるが、これは2015年1月に終了する予定。2月以降に料金プランが見直される旨は発表されていたが、詳細は不明だった。

 こうした状況の中、12月18日に、ケイ・オプティコムはmineoの新料金プランを発表した。2月1日から、既存の1Gバイトプランは980円から850円に、2Gバイトプランは1580円から980円に値下げされる。3Gバイトプランは容量を1Gバイト増やし、4Gバイトプランとして2330円から1580円に改定される。音声通話対応の場合は、ここに700円が加算される仕組みだ。

photo 1Gバイトプランと2Gバイトプランが値下げになり、3Gバイトプランは4Gバイトに容量を増やした上で価格を下げた
photo 新料金プランの狙いを説明する、ケイ・オプティコムの津田氏

 2GバイトプランでUQ Mobileと並びつつ、あえて1Gバイトプランを残した格好になるが、ケイ・オプティコムでMVNO事業を担当する、モバイル事業戦略グループ グループマネージャー 津田和佳氏は、その理由を次のように語る。

 「まず、ユーザーの皆さんの使い方を見極めるために、パケットのキャンペーンを始めた。その中で、翌月まで繰り越せるから余ってしまった、1Gバイトでも十分という声を多数拝見した。ユーザーのベネフィットを追求して、より最適なサービスを目指すため、1Gバイトを中心にサービスを提供する」

 ユーザーの利用動向を踏まえ、980円という料金のまま容量を増やすのではなく、1Gバイトプランを850円に値下げするというわけだ。同時に、2GバイトプランはUQ Mobileと同額の980円に設定し、競合他社と比べても見劣りしない料金プランを打ち出した。

photophoto 使い切れないという声に応え、あえて1Gバイトプランを残した

 MVNOの原価の大半は、MNOに支払う接続料だ。mineoの場合は、KDDIに支払う使用料ということになる。接続料の安いドコモ系MVNOに比べ、mineoは価格設定で不利になりがちだが、「プロモーションをWeb中心に絞り、効率よくやっている。社内でもバックオフィスのコストを抑えている。十分やっていけるということで値下げした」と値下げに踏み切った。津田氏によると、KDDIが2015年度の接続料を値下げすることも、見込んでいるようだ。

 一方で、ドコモ系のMVNOを見渡せば、mineoより安いサービスが存在する。例えば、U-NEXTのU-mobileは1Gバイトで680円。1Gバイト、850円のmineoを下回る。接続料が2倍程度違うドコモ系MVNOとKDDI系MVNOでは、やはりエンドユーザーに提示する金額に差が出てしまうというわけだ。これに対し、ケイ・オプティコムが差別化の軸として打ち出すのが“品質”だ。津田氏によると、mineo開始以降、KDDIとケイ・オプティコムを接続する帯域は10回増強しており、十分な速度が出ていると語る。

 「ピークの時間帯は若干速度が落ちる面もあるが、できるだけ快適にお使いいただけるように質のところをしっかりやっている。mineoは、夏場あたりに非常に(多くのユーザーに)入っていただいた。他社でもっと安いところはあるが、十分戦える」

photo KDDIと接続する帯域は、すでにサービス開始から10回増強しているという

 実際、使い放題の料金プランを打ち出したMVNOの中には、ネットワークの増強が追いつかず、十分な速度が出ていないところもある。こうした問題が起こらないように品質を高め、使い勝手のよさで差別化していくのがケイ・オプティコムの戦略だ。ただし、MVNOの速度差などは、実際に使ってみなければ分からないところが多い。こうしたユーザーの声を浸透させるには、新たに開設するコミュニティサイトが役に立ちそうだ。こうした場でユーザーに情報を積極的に開示していけば、品質の高さが伝わるだけでなく、ロイヤリティの向上にもつながる。

photo コミュニティサイトを立ち上げ、サービスの評判を広げていく

 品質は速度だけにとどまらない。2015年2月には、直近3日間で500Mバイト以上利用するとかかる速度制限を撤廃。各プランの容量の範囲内であれば、1日で使い切ろうが、30日均等に使おうが、制限がかからなくなる。春以降には、「ターボ機能」を導入する予定だ。これはIIJmioやOCN モバイル ONEで好評の機能。ユーザーが自由に高速通信のオン・オフを切り替えられるもので、データ容量を効率よく使うことが可能になる。こうした改善に対する反響を、先に挙げたような施策で十分訴えていけるかが、今後の行方を占うカギになりそうだ。

photophotophoto 2月には、3日間での500Mバイト制限を撤廃。春をめどに「ターボ機能」も導入する。さらに、その先にはほかのユーザーにデータ量をプレゼントできる「パケットギフト」も開始する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月23日 更新
  1. キャリアショップや家電量販店よりも厳しい現実――街中の「併売店」の“今”を探る (2026年09月21日)
  2. 富裕層向けカードの潮流が変化 アメックス、三井住友、ダイナース、ラグジュアリーカードが狙う“特別な体験価値”とは? (2026年09月22日)
  3. 月40GBになった「ahamo」はどれだけお得? 他社中容量プランと比較、「大盛り」に意外な落とし穴も (2026年09月21日)
  4. BeRealの次は韓国発のVlogアプリ「setlog」がブームに? Z世代の7割超が使う理由と「タイムリミットに追われない」クローズドな魅力 (2026年09月22日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. 「iPhone 18 Pro」で“Face ID認証できない”問題、Appleが対処法を案内 やはり「画面フィルム」に言及 (2026年09月21日)
  7. 「ウエルシア」でお得に買い物する方法 アプリ設定だけで「Vポイント」「WAON POINT」の二重取り【2026年9月版】 (2026年09月22日)
  8. 「マイナポータルアプリ」が「マイナアプリ」へ刷新されて何が変わった? メリットや利用方法を解説 (2026年09月20日)
  9. 「全プラン2000円未満」で攻めるHISモバイル 30GB最安級値下げと「年4GB海外無料eSIM」の狙い (2026年09月22日)
  10. ドコモでiPhoneのeSIMクイック転送が利用できない不具合 Appleオンラインストアで購入+機種変更手続きが対象 (2026年09月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー