定番アプリの消費電力を専用ツールで「見える化」してみたLINEにGoogleマップ、パズドラ(2/2 ページ)

» 2015年01月13日 20時12分 公開
[平賀洋一ITmedia]
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地図アプリでの違いは?

 続いて代表的な地図アプリであるGoogleの「マップ」と「NAVITIME」を使って、それぞれの消費電流を調べてみた。マップは地図データをその都度サーバから取得する通信型、NAVITIMEはアプリのインストール時に地図データを端末に保存するダウンロード型という違いがある。

 スマホのGPSをオンにして、トライグルがあるオフィス街付近で徒歩のナビを利用してもらった。その消費電流は、マップが725mA前後、NAVITIMEは379mA前後という結果に。倍近い差がでているが、これは地図データを取得するために常に通信しているか、していないかの差だ。

photo 1台のスマホで、NAVITIMEとGoogleマップを使用した。左側の青い線がNAVITIME、右側の赤い線がGoogleマップだ

 「アプリの種類に限らず、常に通信する場合は電力消費が多くなります。ただGoogleマップの場合は通信していない場合でもプロセッサの利用率が高い。マップの平均的なプロセッサの利用率が50%ですが、ナビタイムは22.5%。これは、マップのほうがユーザーインタフェース(UI)やサービスがリッチで、静止時でも描画処理がたくさん行われているからです」(冨森氏)

 それだけに、最近のマップは昔のバージョンと比べてバッテリー消費が大きくなっているという。また、マップを使っている場合の消費電流は約400mAから450mAで、「操作をしなくても使用電流下がらない傾向」(冨森氏)だ。これは周辺の地図を先読みしている、あるいは現在地の関連情報やレコメンド情報を送受信している可能性があるという。

 NAVITIMEは通信頻度が少ないだけでなく、描画処理の負荷が少ないのも有利に働いたようだ。冨森氏は「(Googleの)マップと比べてUIがシンプルですから、その分バッテリーも持つといえるかもしれません」と解説する。

人気ゲームの消費電力は?

 最後に、人気のゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」のバッテリー消費を調べてみよう。パズドラは全体的に使用中の消費電力は高いが、特にアプリの起動直後は通信が発生し、消費電流は600mAから800mAほどになる。これは動画を再生したときよりちょっと低いくらいの数値だ。

photo グラフの中央がアプリを立ち上げたところ。特にゲームをしなくても、600mAを下回らない傾向が見られた

 「パズドラは画面の描画に3Dエンジンも使っていますから、グラフィック処理の負荷が高いです。また操作しない場合でも電流が下がりにくい。プロセッサの利用率も常にフル回転ですね」(冨森氏)

 またゲームではリッチなビジュアルに加え、BGMや効果音などサウンドの存在も欠かせない。しかし電車の中など、公共の場では消音状態でプレイすることもある。では、ボリュームの違いで消費電流はどう変わるのだろうか。

 「ボリュームが高い時は616mA、低い時は587mA程度でした。アプリでサウンドをオフにした場合(消音)でも600mA弱くらいですから、サウンドのオン/オフ、音量の大小はあまり大きな差にはならないと思います。もともとサウンド再生の処理はそんなに大きな負荷ではありませんし。ただ、スピーカーを駆動させる電力が発生しますから、長時間になると大きな違いになります」(冨森氏)

 以前のパズドラはスリープ時でも関連プロセスを停止できなかったため、バッテリーが減ることがあったようだ。もちろん現在のバージョンは改善されているが、冨森氏は「スマホがスリープ中でも、パズドラは85mAの電流を使っています。これはほかのアプリと比較しても多い方です」と指摘する。またスリープ中のプロセッサ利用率も、Androidのシステム全体が12%なのにパズドラは8%もあるという。

 そしてゲーム中にイベントが発生して通信状態になると、さらに電流量がアップする。通信機能をすべてオフにする機内モードにしてみても、消費電流は640mA台であまりバッテリーの節約にはならないようだ。

 「スマホのゲームはちょっとした隙間時間に楽しむことが多いと思いますが、もともと消費電力が大きいのでバッテリー残量には注意した方が良いですね。もしフル充電でも連続で遊ぶと数時間でバッテリーが無くなる可能性があります」(冨森氏)

アプリの消費電力は長時間測定しないと実態が分からない

 今回はいくつかのアプリを使い、スマホのバッテリーがどのように消費されるのかを調べてもらった。もちろんこれ以外にもGmailやFacebookなど、利用者が多く、データの「同期」を前提としたアプリもある。

 冨森氏は「例えばFacebookは、メッセージの通知や送受信がなくても何らかの情報を受信している時があります」と話す。友達の更新情報や関連情報などをやりとりしていると思われるが、それがどういったタイミングで発生するのかは、かなり長期間に渡って測定しないと分からないそうだ。

 またスマホの使われ方もユーザーごとにそれぞれ違う。それぞれのアプリをどの程度使うのか、また同期のオン/オフやスリープしている時間の長さなど、実際のスマホ利用に即した測定を行わないと分からないことが多い。その点、今回利用したTRYGLE POWER BENCHは持ち運びができ、長時間の測定も可能だ。

 「これからのアプリはサービスの品質に加え、どのようにバッテリーを使っているのか、その挙動も厳しくチェックされると思います。アプリ開発者の皆さんにはぜひ、TRYGLE POWER BENCHを使って省電力性もチェックしてほしいですね」(冨森氏)

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