2015年5月、SIMロック解除義務化開始!その影響は?SIM通

» 2015年01月16日 07時00分 公開
[ITmedia]
SIM通

 総務省が正式に携帯電話のSIMロック解除の義務化方針を発表しました。これがどのような影響力を持つのか、考えてみます。

photo

 もともと携帯電話には、電話機(無線機)と加入者(SIM)を切り離すコンセプトが盛り込まれていました。電話機は通信機能だけを持ち、ユーザーは事業者との間でサービスを契約します。

 この分離構造のため、電話機メーカーとネットワークベンダがきちんと国際標準に準拠していれば、ユーザーはどの事業者とも自由に契約を結べるようになります。

 その一方、このコンセプトを突き詰めると事業者は他の事業者との競争が難しくなります。そこで、さまざまな付加価値を提供し、それを差別化ポイントとして訴求することになりました。

 ここで問題なのが、事業者の提供する「価値」の中に電話機そのものも入っていたことです。事業者は「この電話機を使えるのは当社だけ」と宣伝するために、その電話機が他の事業者で使えないようにロックをかける必要がありました。これが、SIMロックです。

 今、SIMロックが解除されると、もともとのコンセプトの通り、全ての電話機が全ての事業者で平等に使えるようになります。しかし、本当にそうなるのか、まだ分かりません。

 というのも、事業者が工夫し続けてきた「標準以上の価値」は、電話機だけではないからです。

 メールやWEBなどはもとより、アプリやニュース配信など、各社とも独自IDにひも付けた様々なサービスを提供しています。そういった独自サービスのために、端末にいろいろな仕掛けがしてあります。

 たとえば、A社の独自IDの仕組みを実装した端末XをB社系のSIMで使うとします。もしかすると、SIMの中のA社独特の情報から独自IDを生成する仕組みを持っているかもしれません。すると、B社系SIMを挿した瞬間、端末Xは「必要なIDが取得できないので電源を落とします」という動作をするかもしれません。

 独自IDをネットワークに送信して有効かどうかを確認し、有効でないと一部のサービスをストップさせたり、電波を強引にOFFにするような作り方をしている場合もあります。このような作りこみに関しては公表義務がありませんから、どの端末が動かないのか、利用者が知る方法はありません。

 また、もっと基本的な問題として、対応バンド(周波数)の差異があります。コスト削減(試験コスト等)のために、ハードウェア的には対応しているバンドでもわざと動作不可にしている場合もあります。この場合も、他社バンドでは動作しないということが起こり得ます。

photo

 特に今後問題になると思われるのが、VoLTEです。日本は音声通信に関する法的規制が特に厳しいため、VoLTEによる音声サービスの提供でもいろいろと独自の仕掛けをしなければなりません。その独自の仕掛けに対応しているかどうか電源ONのときに確かめ、対応していない場合には法令違反になる恐れがあるためわざと電波をOFFにするような作りこみをするようになる可能性もあります(たとえデータ専用SIMでも)。

 原則としてSIMロック解除義務化は歓迎すべきことなのですが、だからと言って全ての端末と全ての事業者が組み合わせ可能とは言えない上、たとえば最初は上手く動いていても事業者側のネットワーク調整で動かなくなることもあり得ます。

 MVNOなどは他社端末を使うことが前提なので、動作確認を独自に行うことが多いでしょう。ですので、SIMロック解除端末を使うなら実はMVNOが一番安心かもしれません。

>>関連記事
◆総務省、「SIMロック解除に関するガイドライン」を改正

Copyright:(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月27日 更新
  1. 楽天モバイル回線のMVNOサービス「ゼロネオモバイル」登場 月額6248円でデータ無制限、60回払いで端末実質0円 (2026年02月25日)
  2. 最上位モデル「Galaxy S26 Ultra」発表 のぞき見防止ディスプレイや明るいカメラ搭載 実機を写真で解説 (2026年02月26日)
  3. 「Galaxy S26/S26+」発表、日本では5年ぶり「+」モデルも 新チップ搭載でカメラやAIの処理性能が向上 (2026年02月26日)
  4. ためたJRE POINT、モバイルSuicaへ直接チャージ可能に 二度手間を解消 (2026年02月25日)
  5. 「LINEカレンダー」3月提供へ トーク画面から予定作成、共有、リマインドなど完結 アプリ版は7月に登場 (2026年02月26日)
  6. 49gの「RokidスマートAIグラス」発売 AIが視覚情報を解析、89言語のリアルタイム翻訳も 約8万円から (2026年02月26日)
  7. 「Galaxy S26/S26+」日本で3月12日に発売 AIがユーザーの行動を先回りして提案 メーカー版は13万6400円から (2026年02月26日)
  8. Apple初の「折りたたみiPhone」は2026年9月に登場か 約30万円でTouch ID復活とのうわさも (2026年02月24日)
  9. 「ドコモ MAX」の特典を“スポーツ以外”に拡充した理由 映像だけでなくリアルな体験価値の提供も (2026年02月25日)
  10. Google新保証「Pixel Care+」開始 画面修理やバッテリー交換を無料に 「偶発的な損傷も回数無制限で補償」 (2026年02月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年