SIMロック解除義務化 ユーザーのメリット・デメリットSIM通

» 2014年08月11日 10時42分 公開
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 総務省は2014年6月、SIMロックの解除を義務付ける方針を発表しました。SIMロック解除になることで、これからの携帯・スマホにはどんな変化が起こり、どんなメリット・デメリットが生じるのでしょうか?

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 SIMロック解除は、2010年に総務省がガイドラインを作成していましたが、強制力がなかったため、今のところSIMについてはキャリアの裁量に委ねられています。結果、「端末によっては有償でSIMロック解除を受け付ける」という対応となっています。しかし、今回は義務であり、強制力のある施策となる見込みです。

SIMロックとは?

 現在国内の携帯電話・スマホはSIMカードというICチップを挿入することで、電話や通信が行えます。SIMカードや携帯端末の通信方式は規格化されているので、今のところ日本では、「A社から販売されている端末はA社のSIMカードしか使えない」というように端末にロックが施されています。これがSIMロックです。

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 例えば、ドコモのXperia Z2にauやソフトバンクのSIMカードをセットしても、電話・通信できないのです。

 現状では、どのキャリアも2年間継続して契約する代わりに、端末代金相当の割引を行っています。これは最新の端末が安く買えるというメリットがあります。しかし、海外旅行や長期滞在、MVNOの格安通信サービスなども浸透している今のニーズに即していません。

※ドコモはiPhone・iPadを除くほぼ全ての端末で、ソフトバンクは4機種で有料によるSIMロック解除を受け付けている。

SIMロック解除になった場合のメリットは?

 SIMロック解除が義務付けられると、ユーザーはどんなメリットがあるのでしょうか。

1.端末を買いなおさなくてもキャリアを移動できる

2.現地SIMの購入で海外滞在時の通信費を抑えられる

3.キャリアにとらわれずにMVNOのSIMで格安運用しやすくなる

 などがあります。

 現在、国内大手3キャリアが提案しているプランは価格競争が停滞している状態なので、「1.」のキャリアを変えるメリットは少ないかもしれません。しかし、SIMロック解除の義務化による市場の変化により、差別化されたプランがキャリアから発表された時には、大きなメリットとなり得ます。

 「2.」と「3.」は手軽に通信費を抑えられる手段であるため、特に注目すべきポイントでしょう。端末のSIMロック解除が実施されることで、MVNOへの乗り換えもメジャーになってくることが予想されます。

SIMロック解除のデメリットは?

 メリットだけでなく、ユーザーにとってデメリットも予想されます。

1.端末への割引額低下による価格の上昇

2.大手3キャリアの料金オプションプランの複雑化

3.購入したSIMでは繋がらないエリアによって3G・LTE接続ができない可能性有

 「1.」は、実現の可能性が高いと予想されるデメリットです。キャリアにとって、SIMロックと2年契約による割引の動機が弱まるため、端末価格の上昇が考えられます。購入時の負担はかなり大きくなるでしょう。

 「2.」は、まだ推測の域を出ませんが、これまで以上に利用者が通信業者を自由に選択できるため、現在の大手3キャリアの電話・通信の月額料金の低下が予測されます。これに伴い、月額料金に付随する料金オプションプランが複雑化していくのではないでしょうか。購入時に実際に掛かる費用を何回も確認しなければいけなくなります。

 「3.」は、各キャリアによって電波の種類・周波数が異なるため起こることが予想されます。キャリアの回線網を借り受けて使用することになるMVNOのSIMでは、借りる回線網の環境によって、快適な通信を行うことができない可能性も考えられるからです。

 様々なメリット・デメリットはあるものの、「選べる時代」へ向けての貴重な一歩となることが期待されます。

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