3月28〜29日に幕張メッセで開催された「コミケットスペシャル6」。なんとそこでIIJmioが痛SIMを販売し、フリーWi-Fiスポットを提供するということを聞きつけ、その様子を取材してきました。
同人誌即売会として毎夏冬に行われているコミケは、昨年冬に来場人数56万人を越えるなど、風物詩的に話題にもなっています。そんなコミケが5年に1回「コミケットスペシャル」として春にもイベントを開催しており、今年は『オタクサミット2015』をテーマとして、国内だけではなく広く海外からの参加者を招いて開催されました。
そんなイベントに参戦したのがIIJ。一体どんな様子なのかとブースを訪れてみると…思った以上に、がっつり展開!
商品として発売されていたのは、『Japan Travel SIM』という訪日外国人向けに空港などで販売されているプリペイドSIMと、通称“みおふぉん”こと『IIJmio音声通話パック』、『IIJmioクーポンカード』の3枚セットです。
『Japan Travel SIM』はコンパクトなパッケージに見えて、イラストが屏風状に収納されています。しかもラメ入りと豪華仕様。価格は税込4,000円。イラストはべっかんこうさんです。
みおふぉんはパッケージだけの販売。SIMカードは同梱しておらず、あとから登録します。こちらも税込価格で3,000円。イラストはななろば華さんです。
『IIJmioクーポンカード』は、500MBのものに3タイプのイラストがついて1セットになった商品。計1.5GBで税込3,000円。イラストは、涼香さん、えれっとさん、6U☆さんの3名です。
呼び込みでコスプレをしているのは、IIJの社員さん!気合入りまくりですね。ちなみに購入すると、イラストがプリントされた特製のバッグに入れてもらえます。
えーっとIIJさんって、こんな会社でしたっけ…と、何でこんなことになったのか直撃してみたところ…
「今年のコミケットスペシャルが海外からのお客さんを招いて行うというコンセプトだと聞いていたので、海外旅行者向けのSIMを販売しようというところから企画が始まったんです」とのこと。と同時に、コミケということで、痛SIMにしようと提案され、イベントでは国内からのお客さんも多いことから、商品のラインナップとなりました。
そんなIIJのブース自体は「SIMを販売する」という珍しさも手伝ってか?大盛況!!ゆったりとした空間の中でIIJブースはひときわ大勢のお客さんが集まり、痛SIMを求める人や、どんな商品なのか聞きに来る人などとても目立っていました。
売れ筋を聞くと、クーポンカードが一番、次いでJapan Travel SIM、最後にみおふぉんの順番。ちなみにJapan Travel SIMは、外国人の方はもちろん、日本人も買っていく人がいるとのこと。
さらに詳しく話を聞いてみると、今回のこの痛SIMの仕掛け人はIIJの中の人でおなじみの堂前清隆さんとのこと、早速本人にお話を伺いました。
「今回のコンセプトはおもてなしなんです。海外からのお客さんには、プリペイドSIMを買っていただければ国内で快適にネット環境に接続できますし、日本のイラストを知っていただけますよね。またこの会場内では、フリーWi-Fiも提供しています。IIJの通信環境を安心して使っていただければ、ということなんですよ」(堂前氏)
ちなみにイラストレーションの選定も堂前氏で、「コミケで作品を発表している方」を基本に、ご自身のファン心も加えて選ばれたそうです。
一方、フリーWi-Fiもサービスを行うだけでなく興味深い展示が行われていました。
コミケットスペシャルは幕張メッセの1〜5ホールが使用されていたのですが、そのうち、イベントステージのホール1と企業エリアのホール4以外すべてに、IIJはフリーWi-Fiを提供。
これらは、ホールの隅にIIJがW-Fi機器を設定し実現しています。
設置されたWi-Fiの混雑状況や電波状況などは、ホール3に置かれたIIJのブースにて、リアルタイムにモニタリング。誰でも状況が分かるようになっていました。もちろん、スタッフに展示内容や状況について尋ねると、丁寧に説明してくれるという、かなりレア度の高い展示スペースとなっており、痛SIM販売だけでなく、こうしたIIJのおもてなしがウケていました。
運用状況を聞くと、5GHz帯より2.4GHz帯の方が混んでいるとのこと。実際のモニタリングの値でも、2.4GHzはピークに近い値を示していました。
これはポータブルのWi-Fiルータを使っている人が多いからではないかと堂前氏。こうした状況を少しでも機材で改善できないか、リアルタイムに試行錯誤し、翌日に反映していこうとしているとのこと。
さて、実際にフリーWi-Fiが提供されているSSID「CS6_FreeWiFi_IIJ」に接続してみました。速度を測ると……
上り下りとも約2Mbpsといったところ。
堂前氏いわく、一人が多くの帯域を占有してしまって他の人の速度が極端に落ちてしまわないよう、平均化するように制御しているためとのこと。
とはいえ、使ってみた範囲では重さを感じることもなく、検索やメールをしている分には十分な速度が確保されていました。
実はこのフリーWi-Fi、開発中の機材の動作確認も兼ねての試験とのこと。確かに人の出入りが多く、また使用頻度も高そうな人々が集まる場所として、この場は最適ですよね。また、SIMの従来の想定ユーザー層とは違ったところにプロモーションをしたり、反応を調べたりする場としてアリかも……。
今回の話を聞いたときに、IIJ謎の展開!? とちょっとびっくりしたのですが、実際はかなり戦略的にチャレンジしている事がわかりました。これからもびっくりするような動きを見せてくれることと、期待していきたいと思います。
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