10万人アンケートでトラブルの“種”を探し出す――安心・安全に向けたLINEの本気度既読スルーは本質ではない(2/2 ページ)

» 2015年07月30日 21時45分 公開
[佐野正弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

漫画教材や10万人アンケートなどの新たな取り組みも

 2つ目の取り組みは、新しい情報リテラシー教材の開発だ。スマートフォンがより低年齢層に広まっていることを意識し、分かりやすさを重視した漫画よる教材を、9月より提供予定であることを公表した。

 この漫画教材は、“インターネットの使い方”など従来の学習漫画教材のように、漫画を読んで情報を理解する内容ではない。具体的には、LINEを使ってコミュニケーションする主人公らの仕草やシチュエーションから、ネット上と対面のコミュニケーションの違いを考えてもらうなど、情報を読み解くことに重点を置き、グループディスカッションなどに活用しやすい内容になっている。

photo 漫画を使った新しい情報リテラシー教材
photo LINEを使ったコミュニケーションから、対面とのコミュニケーションの違いなどを考えてもらう内容となっている

 そして3つ目は、全国10万人を対象とした、大規模な青少年のネット利用調査の実施である。LINEではこれまでにも、講演の時やヒアリングなどによる調査を実施してきたが、それらの中から「中高生のスマートフォン利用場所はベッドが最多で、トイレの中も無視できない数字」「スマートフォンを持ち始めた中学・高校1年生のタイミングで利用時間が大きく伸びると同時にトラブルに巻き込まれる割合も高くなる」「嫌だなと思うことは、既読無視よりも知らない人からの友達追加や長時間のトークが多い」など、さまざまな傾向が見えてきたという。

photo LINEはこれまで講演などでアンケートを実施してきた
photo 過去のアンケート結果から、青少年のさまざまな傾向やトラブル因子が見えてきたことから、大規模調査に踏み切ったようだ

 そうしたことから、青少年のスマートフォンやインターネットの利用実態を正確に知ることを目的として、大規模な利用実態の調査を実施するに至ったという。どのようなトラブルが起きているかを知り、トラブルの因子を見つけて理解すことが、トラブル撲滅の第1歩になると、江口氏は考えているようだ。

 この調査は、いじめが増えやすいとされている夏休み明けから実施される予定とのこと。あくまで青少年のトラブル傾向を正確に把握するための調査であり、個別の地域や学校のトラブルを洗い出すのが目的ではない。

 アンケートの集計結果は、全てのデータを完全に匿名化した上で、教育関係者や研究機関、そしてメディアなどに公開することも考えているとのこと。またアンケート結果から実態を把握した後は、シミュレーションや学術的な視点を交えてトラブル発生原因の解明を進め、その因子を見つけ出した上で“青少年のネット利用安全メソッド”の制定も目指す。「トラブルを激減させ、意図せずクリティカルな状況に陥ることを本当になくしたい」と、江口室長は話している。

関連キーワード

トラブル | 子供 | リテラシー | 中高生 | LINE


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月26日 更新
  1. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  2. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  3. ドコモから「arrows Alpha2」登場 新素材とフルフラットパネルを採用、水中撮影にも対応 (2026年06月25日)
  4. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  5. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
  6. 折りたたみiPhoneに近いサイズ感? 「HUAWEI Pura X Max」実機レビュー 横長“パスポート型”が合理的な理由 (2026年06月24日)
  7. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  8. 「ソフトバンクの株価なぜ低迷」「料金値上げの影響」「PayPayに次ぐ新事業は?」 株主総会での質疑応答 (2026年06月24日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. KDDIのISP向けメールシステムで不正アクセス BIGLOBEや@niftyなどで情報漏えいの恐れ (2026年06月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー