目指したのは4Kではなく“最高画質”――ソニーモバイルが「Xperia Z5 Premium」で越えた壁開発陣に聞く「Xperia Z5 Premium」(3/3 ページ)

» 2015年12月15日 12時31分 公開
[田中聡ITmedia]
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ピカピカの鏡面仕上げにした理由

photo デザイン担当の村井氏

―― デザインは、鏡面仕上げのインパクトがすごいですね。こうした外観にした理由を教えてください。

村井氏 「人の生活に寄りそう」ことをZ5シリーズ共通のコンセプトにしていて、その中でZ5 Premiumでは「特別感」を出したかったんです。そこで、背面のガラスが光の中に溶け込んでいくことを表現できないかを検討しました。ガラスは平滑度があるので、より均一な面で鏡のような効果を出すことで、パッと見のインパクトが出せます。鏡のような存在になることは、日常に溶け込み、「人の生活に寄り添う」というコンセプトにもふさわしいと考えました。

―― Chromeの方がBlackよりも映り込みますね。

村井氏 どちらも同じガラスを使っていますが、加飾の方法を変えています。ChromeとBlackで光と影をイメージしましたが、光の中に溶け込んでいく考えは変わりません。

photo Chromeは手鏡としても使えるほど反射する。手前はZ5 PremiumのBlack

―― ここまで鏡っぽいと、公共の場では使いにくいという意見もあります(笑)。

村井氏 そういう意見も(社内で)ありましたが、Z5 Premiumが象徴的な存在、いい意味でインパクトのある存在になってほしい。(4Kの)画面に加えて、デザインも極めたいという思いがありました。

―― 日本では発売されていませんが、Goldも見せ方を変えたのでしょうか。

村井氏 はい。Goldも輝き感を大事にしていて、輝度の高い処理をしています。Chromeほどではありませんけど、女性のユーザーを意識して、アクセサリーのように手元で輝くイメージを表現しました。

―― 日本でゴールドは出ないのでしょうか。

板倉氏 通信キャリアさんとの話し合いの中で、現状は2色展開としています。

―― 表側は3色とも黒になっていますね。

村井氏 より重厚感を大事にしたかったためです。

―― テレビに近いイメージということですね。Xperia Z5 Premiumは、生活に溶け込むというコンセプトはZ5、Z5 Compactと変わりませんが、表現の手法を変えたと。

村井氏 はい。あと意識したのが、こだわりを持ってスマートフォンを選ぶ人を想定して、色の表現も、突き抜けたものを採用しました。

―― ターゲット層はどのあたりなのでしょう。やはり男性が中心でしょうか。

村井氏 本体のサイズ感を含めると、どちらかというと男性を想定しましたけど、女性を無視したわけではありません。男女とも意識しています。

―― 5.5型ですが、片手の操作や持ちやすさでこだわったところはありますか。

村井氏 Z5シリーズ共通の電源キーです。指紋センサーでロックを解除しやすいところです。

―― 今回もボディの素材はガラスと金属ですね。

村井氏 はい、そして今回はフレームとガラスを同じ色にしています。質感を合わせる磨き込みも何度かトライしました。

photo フレームと背面ガラスの質感を合わせた

―― 一方で、背面には指紋が付きやすいですよね。特にBlackが目立ちます。

村井氏 付かないわけではありませんが、付きにくいよう、特殊なコーディングをしています。

―― 背面には一貫してガラスを採用していますが、フルメタルにする方向性は?

村井氏 Z5に関しては、フロストガラスの素材感を大事にしています。ガラスとメタルのコンビネーションで、より素材の良さを生かすデザインを目指しました。

「4K」を目指したわけではない

―― 日本より一足早く発売された、海外での反応はいかがでしょう(インタビューは日本でXperia Z5 Premiumが発売される前に実施した)

板倉氏 4Kという言葉とChromeの表情を購買動機にしている人が、初動では多いですね。4Kという理由で、某有名なメーカーさんから乗り換えていただいたり、Chromeという表情を持ったものを初めて見るので、これを買うと決めたりする方もいらっしゃいました。

―― そもそものところで、スマートフォンに4Kが必要なのかという議論もあります。

板倉氏 自分たちでうたっていて言うのもなんですが、われわれは4Kを目指したわけではありません。4Kを含めた最高画質を提供することを主眼に置いています。少し矛盾した表現になりますけど、最高画質を提供するうえで、特殊な光学シート(偏光板)、コントラスト感、解像感に見合ったX-Reality for mobileのチューニング、それらを支える4Kの解像度にこだわってきました。4KとフルHDの差分にフォーカスすると、単純なスペックの話になってしまうので、解像度はあくまで1つの要素とした、最高画質を自負しています。

―― 今後、ソニーさんとしても4Kコンテンツを増えていく流れになるのでしょうか。

板倉氏 現状はいろいろと会話させていただいている段階ですね。通信の帯域やストレージの容量など、まだ課題もあります。とはいえ、誰かが始めないといけないと思っています。

―― ディスプレイの解像度は、今後もフルHDのZと、4KのPremiumという2ラインになっていくのでしょうか。

板倉氏 先のことは未定の部分が多いですが、スタミナ、明るさ、コンテンツなどが成長するバランスを見ながら、全体のポートフォリオを決めていきたいと思います。

取材を終えて:4Kの真価を発揮できるのはコンテンツ次第?

 Xperia Z5 Premiumは、どうしても「4K」のインパクトが大きく、そこだけにとらわれてしまいがちだが、実際に話を聞いて、4Kは最高画質を実現するための1つの要素であることが分かった。黒が締まって見える処理など、絵作りでZ5 Premiumにしか施していないものもある。Xperia Z5 Premiumは現行機種の中で、撮影した写真や動画を最高画質で見られるスマートフォンと言っても差し支えないだろう。

 一方、スマートフォンで本当に4Kディスプレイが必要なのかという疑問はぬぐいきれていない。Xperia Z5 Premiumが真価を発揮できるかどうかは、スマホで楽しめる4Kコンテンツがどれだけ登場するかにも、懸かっているといえる。

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