僕 じゃ、ちょっと考えてみよう。もしもキミが売れない芸人だったとして、それでもテレビやネットから逃げ隠れするの?
妻 しないよ。だって、名前を売る機会なんだから、積極的に映りに行くし、ガンガンしゃべるよ。
僕 あんなに怖がってたのに、なにその落差。情報流出が怖くはないの?
妻 怖くない。有名人とか芸能人的ポジションだったら、むしろドンドン前に出ていくべきだし、自分もそうする。それはテレビもネットもラジオも変わらない。
僕 一般人だと怖いけど、有名人ならメディアを恐れなくて大丈夫な理由ってなんだろう。
妻 確かにそうね……なぜだろう? えーっと、有名人は知名度が高いから……心配しなくても……芸能界や世間様に守られていて……いくら情報が流出しても……きっと安全が脅かされることはない……うん、そんなかんじかな……?
ずいぶんじっくりと考えながら答えてくれたが、これは恐らく、妻の中でもはっきりとした答えが出ていないからだ。妻の言う“有名人なら安全”説については正直あまり賛同できないが、前半の「有名人なら自分から情報をさらけ出していく」、つまり“有名人なら(情報流出について)話は別”説として考えると、なんとなく言っていることは理解できる。
これはいわゆる「有名税」という言葉や、「個人と公人」といった言葉で表現されるものとも深い関係がありそうだ。このあたりはネット上でもたびたび議論になるし、人によって意見が分かれるところだろう。
僕 ちなみに、顔の売れていない一般人は路傍の石で誰も気にも留めないから、むしろ安全だって理屈にはならない?
妻 ならない。
僕 じゃあ、僕がネットで顔出ししたり、プロフィールを公開することは危険な行為だろうか。
妻 個人的にあまりいい気持ちはしないね。駅のプラットホームから突き落とされたり、夜道で後ろから刺されるかもだし、車のエンジンをかけた瞬間に大爆発するかもしれないから気を付けたほうがいいよ。
僕 100%ねーよ! スパイ映画の見すぎです(笑)。
前回から続けてきたSNS&個人情報編は、過去のテーマと比べてもかなり繊細な問題だけあって、読者の中にはまったく異なる意見を持っている人も多いだろうし、実際に妻との会話の中でも、何か結論めいたところまでたどりつけたわけではない。
ただし、「SNSやネットの世界がなんとなく怖い」と思っている人は世の中に同じように多くいるはずだし、そんな人たちの“なんとなく”の理由を考えてみることは、普段からネット漬けで過ごしている僕らにとっても、きっと悪いことにはならないはずだ。
ネットの影響度は、なんとなくテレビやラジオよりも低いって印象があるんです。自分がネットのヘビーユーザーじゃないことがそう思わせているのかもしれないのですが……。ただ、ネットはこちらが見られて(&調べられて)いることがダイレクトに伝わってこないぶん、えもいわれない恐怖を感じてしまうのです。多分、これからもTwitter、Facebook、ブログの類には手を出さないと思います。
ロードバイクをこよなく愛するアラフォーブロガー。ブログ「サイクルガジェット」運営。“徹底的&圧倒的なユーザー目線で情熱的に情報発信する”ことがモットー。ちょっぴり健康が気になって、自転車でも始めようかなとお考えの方が、「こんなコンテンツが読みたかった!」とヒザを打って喜ぶ記事をつくります。
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