KDDI(au)の京セラ製スマートフォン「DIGNO rafre KYV36」は、高い防水性能を持ち、世界で初めてハンドソープで洗えることをセールスポイントにした製品だ。
育児中の女性が使うことを想定して開発され、子供が汚れた手でスマホを触ったり、料理中にスマホでレシピを見ながら汚したりしても、ハンドソープで簡単に洗い流せることを目指したという。
DIGNO rafreは従来の防水機構を見直し、ハンドソープの水溶液が内部に侵入しないようパッキンなどを強化。さらに、マイクとスピーカーの開口部も、従来より1.5倍〜1.7倍の広さにして、汚れや洗剤カスがたまらないようにしている。ちなみに本体にかかっても大丈夫なのは手洗い用のハンドソープ(ライオンのキレイキレイ泡ハンドソープなど)で、その他の石けんや台所用洗剤は保証の対象外だ。
また耐衝撃性能もあり、ディスプレイにはキズがつきにくく高い強度を誇る「Dragontrail X」を採用した。液晶画面の周囲を一段高くすることで表面を保護し、割れにくい形状にするなど工夫を凝らした。また背面パネルには、細かい擦りキズが自然に回復するスクラッチヒーリングという特殊な塗装でコーティングしている。
京セラはアウトドア向けの「TORQUE」シリーズを開発しているほか、rafre以外の「DIGNO」シリーズや、au向けの「Qua phone」「URBANO」シリーズ、SIMロックフリーの「S301」など、いわゆる普及価格帯の製品にも数多く防水/防じん、耐衝撃性能を持たせている。DIGNO rafreもプロセッサやメモリ容量など、数値上のスペックは決して高くないが、日常生活でラフに扱え、さらに洗うことで清潔に使えるという他にはない魅力を持っている。
スマホが洗えるということはITmedia Mobileの某編集部員にとってもメリットだ。例えば編集会議や打ち合せと称したおやつタイムで、スマホをいじりつつスナックをつまんでも、給湯室でさっと流せばべたべたもキレイになる。これは話題のスマホにはできない芸当だ。
しかし、うっかりズボンのポケットに入れたまま洗濯機で洗ってしまうと、さすがに一発で故障間違いなし……のハズだが、奇跡が起きたのかこれが本当の実力なのか、手元のDIGNO rafreは洗濯機から無事に生還してしまった。“うっかり”と言いつつその様子をしっかり撮影していたこと、一応配慮して「手洗いコース」を選んだことはお察し頂きたい。
生還後に問題なく動作しているとはいえ、保証外の使い方には間違いない。もし誤って洗濯機で洗ってしまった場合は、一見異常がなくても、必ずキャリアショップで点検を申し込んで欲しい。特にDIGNO rafreの水没判定シールはユーザーが確認できない内部にあり、分解しないと確認できないためだ。
また今回は、縦型洗濯機で温風乾燥もないため無事だったともいえる。衣類(とスマホ)を何度もたたきつけるドラム式洗濯機で、さらに高温の温風を使った乾燥が行われると、さすがのDIGNO rafreも耐えられない可能性がある。
なんと言っても、スマホを洗濯機で脱水している時の音は非常に心臓に悪いので、洗濯する前に衣類のポケットをよく確認するようにしたい。それでも洗っちゃいそうなうっかりさんは、DIGNO rafreを選ぶと少しは助かるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.