次に、画面に標準のギャラリーアプリでフルHDサイズの画像を常時表示し、10時間後にバッテリーの減り具合を確認した。なお、条件は動画再生と同じものに加えて、バックライトを常時点灯させるために「Backlight Switch」というアプリもインストールしている。
Qualcomm製プロセッサを採用したHUAWEI Y6とZenFone Goの2機種は10時間後も動作を続け、バッテリー残量も40%前後とかなり余裕がある。
Priori3S LTEはバッテリー残量47%と一番良好な結果を残した。だが、先ほどの動画再生テストで判明したバッテリー残量表示の不具合を考えると、バッテリー残量のうち20%分は誤計測で、実質27%ではないかという推測もできる。今回、時間の都合から追試はできなかったが、手放しでPriori3S LTEのバッテリー持ちがいいとは断言しにくい。
MediaTek製プロセッサのMT6735を採用したUPQ Phone A01X、雅(MIYABI)、ZTE Blade V6の3機種は、10時間持たずにバッテリー切れを起こしている。Qualcommのプロセッサと比べて、通常動作時の省電力性能がそこまで洗練されていないものと考えられる。
| バッテリー残量 | バッテリー容量 | |
|---|---|---|
| HUAWEI Y6 | 42% | 2200mAh |
| ZenFone Go (ZB551KL) | 37% | 3010mAh |
| Priori3S LTE | 47% | 4000mAh |
| UPQ Phone A01X | 0% | 1800mAh |
| 雅(MIYABI) | 0% | 2200mAh |
| ZTE Blade V6 | 0% | 2200mAh |

左が静止画表示中のZenFone Goのバッテリー残量推移。右がPriori3S LTEの残量推移。両方とも30%以上残っているが、Priori3S LTEに動画再生テストの傾向を当てはめると、残量20%に達すると同時にバッテリー切れを起こす可能性がある1万円台のスマホの充電電力は最大5V/1Aまたは最大5V/1.5Aと少なく、最新の急速充電規格に対応していない。バッテリー容量が2000mAh前後の端末なら問題ないが、容量3000mAhを超える端末は充電にかなりの時間がかかる可能性がある。
実際に充電速度を比較すると、UPQ Phone A01XとZenFone Goの2機種は、バッテリー容量に対して充電時間が短かった。
| 機種名 | バッテリー容量 | 充電時間 | 充電電力 |
|---|---|---|---|
| HUAWEI Y6 | 2200mAh | 2時間18分 | 5V/1A(5W) |
| ZenFone Go (ZB551KL) | 3010mAh | 2時間27分 | 5V/1A(5W) |
| Priori3S LTE | 4000mAh | 4時間10分 | 5V/1.5A(7.5W) |
| UPQ Phone A01X | 1800mAh | 1時間18分 | 5V/1A(5W) |
| 雅(MIYABI) | 2200mAh | 2時間15分 | 5V/1.5A(7.5W) |
| ZTE Blade V6 | 2200mAh | 2時間23分 | 5V/1A(5W) |
UPQ Phone A01XとZenFone Goの充電が速いのは、最近のスマホと同様に、充電容量が70%を超えても充電電力を絞ることなく充電が完了するからだ。
他の4機種は少し前のスマホと同じく、充電容量が80%を超えたあたりから充電電力を抑える仕様になっている。このため、最後の20%分の充電にかなりの時間がかかる。とはいえ、2000mAh前後のバッテリー搭載モデルは2時間強の時間で充電が完了するのでそこまで気にならない
この仕様が問題になるのは、バッテリー容量4000mAhのPriori3S LTEだ。実際、充電時間は4時間10分とかなり長くなっている。さらに、充電時もバッテリー残量の表記の不具合があり、80%の充電で急に満充電と認識されるので実際の充電状況がわかりづらい。ただ、充電中の経過を見る限り、2時間の充電で実際のバッテリー容量の70%ほどを充電できるようだ。これだけ充電できていれば、1日の利用には問題ない。Priori3S LTEを利用する際は、満充電にこだわらない方が便利に活用できるだろう。

左のPriori3S LTEはバッテリー容量が80%で満充電になる残量表記の不具合がある。また、満充電に近づくと充電電力を抑えるので最後の20%分の充電に余計な時間がかかる。これは右のHUAWEI Y6なども同様だ
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