個人のスキルを売買できる「ココナラ」、非公開無料の法律相談サービスを開始

» 2016年07月25日 19時23分 公開
[田中聡ITmedia]

 個人のスキルを売買するサービスを提供しているココナラが、新サービス「ココナラ法律相談」を8月下旬に提供する。

ココナラ

 ココナラ法律相談は、オンライン上で弁護士に相談ができるサービス。相談料は無料。現在提供されている「ココナラ」の派生サービスとなる。ユーザーは相談したい内容を投稿し、1つの相談につき最大5人(先着順)の弁護士から簡単な回答が送られてくる。その中から実際に依頼したい弁護士を決める。サービス開始時の8月には約100人の弁護士を抱える予定。

ココナラ 「ココナラ法律相談」利用の流れ

 相談内容は非公開となっており、弁護士以外のユーザーは見られないので、ユーザーはより具体的な相談ができる。また、オンラインで手軽に相談ができることから、悩みがあるものの「法律で解決できるのかが分からない」「費用が分からない」「どの弁護士が自分に合っているのかが分からない」といった不安を抱いている潜在ユーザー層にもアプローチできる――と、ココナラの南章行CEOは説明する。

ココナラ 自身の問題が法律で解決できることを知らない潜在層の利用を促進させる

 ココナラには現在30万人以上の会員が登録しており、「お金を払ってでも問題を解決したいという優良顧客が多い」(南氏)ため、弁護士にとっては受任につながりやすいというメリットがある。また、ココナラ法律相談では、登録した弁護士の写真やプロフィル、インタビュー記事などを掲載できるので、弁護士の人となりを広く知らせることもできる。

ココナラ 弁護士の人となりが分かるページも用意する
ココナラ ココナラの南章行CEO

 ユーザーから相談料は徴収せず、弁護士から広告料を徴収することで収益を挙げる。弁護士費用については、依頼を決めた弁護士と個別に確認していく。弁護士は無料で1分野に登録でき、その分野の相談のみ対応できる。これに加え、月額3万〜6万円で複数の分野に登録できる有料プランを用意する。2018年8月までに2500人の弁護士登録(無料+有料)、1000人の有料弁護士登録、月3000万円の広告収入を目指す。

 ココナラ法律相談では、じっくりと相談をするという性質上、現在はPCの利用を想定しており、スマートフォン向けアプリの提供は予定していない。従来のココナラではiOSとAndroid向けアプリも提供しており、「PC・スマートフォンの利用率と男女の利用率は、どちらも1:1」(南氏)とのこと。

そもそも「ココナラ」とは?

 既存のココナラは、個人のスキルや知識を出品し、それを求めている人が購入(依頼)するというサービス。料金は1案件あたり500円から。例えば「ビジネスメールの添削をできます」といった形で出品をし、実際に添削してほしい人がそれを依頼するという流れ。南氏によると、男性が仕事について、女性はプライベートについての相談をすることが多いという。利用実績として特に多いのが、占いや似顔絵。現在出品されている8万件の中で、イラストや似顔絵だけでも7000件以上に及ぶ。

ココナラ ココナラ利用の流れ
ココナラココナラ 7月17日〜23日の利用ランキング。左が男性、右が女性。最近はSNSのアイコン作成が人気のようだ

 「ココナラ」=「オンラインで仕事を依頼するサービス」と考えると「クラウドソーシング」と近いが、ココナラは「知識・スキルの個人間取引であること(企業間ではない)」と「出品者と発注者が1対1でやりとりすること(不特定多数ではない)」が違いだと南氏は説明する。

 2012年にサービスを開始してから順調に流通高を伸ばしており、2016年7月には8000万円を超える見込み。最初に購入してから半年後〜4年後までの購入継続率が、20%からほぼ横ばいなのもココナラの特徴だ。南氏は「(ココナラで)10件以上購入したヘビーユーザーのうち、3割が5カテゴリー、6割が3カテゴリーを購入している。特定分野だけではなく、あらゆるシーンで困ったら相談してみようという層が多い。ヘビーユーザーのうち25%が出品者にもなっている」と説明する。

ココナラ この4年間、毎月約10%の成長率アップを維持している
ココナラ 最初の利用から4年がたっても20%近くの継続率を維持している

 今後はジャンルを絞り、旅行、生命保険、結婚相談といった巨大市場に特化したサービスを提供する。その第1弾がココナラ法律相談となる。「相談するならココナラ」と言われるようなサービスを目指し、「リアルへの送客を目的としたビジネスに枠を広げていく」と南氏は意気込みを語った。

ココナラ 法律相談を皮切りに、巨大市場に特化したサービスを提供していく

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