1ポイント当たり1円以上の価値を実現――au STARの新施策「ギフトセレクション」(2/2 ページ)

» 2016年11月21日 20時57分 公開
[佐野正弘ITmedia]
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限界を攻めた価格でポイントの価値を高める

 その後会場では、au STARの担当者とのラウンドテーブルが実施され、記者と担当者との意見交換がなされた。

 「ギフトセレクションではどういった基準で商品を選んだのか」という質問に対し、水野氏は「au WALLET Marketと比べどれくらいすごいか、調べてもらえれば分かる」と話す。商品ラインアップに自信を見せる。現金で購入するには高いが、ポイントであれば購入したいというラインを狙い、知名度の高い商品に重点を置いて品ぞろえを進めたとのことだ。

 だが、1ポイント当たり1.5円分の価値でポイントと商品を交換できるとなると、何らかの形で商品の価格を値引きする必要がある。この点につて水野氏は、「メーカーからの調達時に価格を頑張ってもらっているものもあれば、自社で負担して割り引いているものもある」と答えている。利益は出ていないとのことで、運営コストを飛び越えるくらいの、限界を攻める価格で価値を提供していく考えのようだ。

 その一方で、多くの指摘がなされたのがWALLETポイントのたまりにくさだ。ポイントがたまりにくい要因の1つとして挙げらたのが、au WALLETのプリペイドカードやクレジットカードで決済した時でないと、ポイントがたまらないこと。NTTドコモの「dポイント」や、ソフトバンクが採用する「Tポイント」は、加盟店でカードを見せれば現金払いでもポイントが付与されることから、他社と比べポイント獲得のシーンが限られるのは事実だ。

 この点に対し水野氏は、「現在のところ、現金決済でポイントが付与される仕組みは考えていない」と、他社と同様の仕組みを提供する考えはないと話す。その代わり、店舗への来店時にポイントが入るなど、間接的な形でポイントが入る仕組みの導入を考えていきたいと答えている。

 また、auのポイントプログラムが、dポイントのようにオープンな仕組みでないことが、ポイントがたまりにくい要因になっているのではないかとの質問も出た。この点に対し、コンシューママーケティング2部 部長の多田一国氏は「必ずしも閉鎖的ではなく、開始当初はオープンな取り組みを進めていた」と話す。

au、ギフトセレクション ラウンドテーブルで記者と意見を交わすKDDIの多田氏

 だが発行する企業やグループの店舗の利用を優遇するハウスカードなどと比べると、広く浅く展開しているau WALLETには弱さもあるとのこと。そこでKDDIでは、ギフトセレクションのように、自社のユーザーに対してサービスを厚くすることに力を入れていく考えを示している。ポイントプログラム自体はあくまでクローズドな形を維持し、ポイント当たりのメリットを高めることを重視していく考えのようだ。

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