気を取り直して、中国の深センへ。深センといえば、電脳街の華強北路(ファーチャンペー)。筆者はここに何回も視察に行っていますが、再整備されてとてもきれいになっていて、マーケットは華強南路まで広がっていました。
建物に入ると、2〜3坪の店舗がずらり。ショーケースの中に携帯を陳列して、まるでアクセサリー販売のような売り方でした。
店舗スタッフは10代がほとんどで、学校に通わずに店主として商売をしているのが当たり前のようです。店舗でご飯を食べたりゲームをしたり、日本では考えられない接客スタンスでした。また、日本では見たことのない偽物の携帯電話も販売されていました。色が変色していますが、機動戦士ガンダムの百式色でした。
足がパンパンになりながら日本版iPhoneを探し回ると、ついに見つけました! しかも思った以上の量でした。
モデルが「J/A」になっているのが、日本版の証拠です。下記写真の端末は、IMEIから検索するとドコモ版であることが分かりました。
こちらの端末にはしっかりと「ソフトバンク」と表示されています。
深センでは1000以上の店舗を回り、推定台数150万台のiPhoneを見つけました、そのうち日本版と表記があり、店員に確認したのが30万〜40万台。予想以上に多く驚きました。しかも、販売されていた日本版iPhoneは全てSIMロックが解除されていました。本体の状態がいいものと悪いもの、液晶が割れている機種もありました。
気になるのが、深センで売られていた日本のiPhoneが、どこでSIMロックを解除されたのか? という点です。SIMロック解除は、日本国内の正規ルートのキャリアショップでしかできません。それも、auを除いて契約者本人しかSIMロック解除できないため、中古事業者が行うのは難しいのが実情です。
それを踏まえると、SIMロックが解除されたiPhoneの深センへの流入ルートは、以下の2つが考えられます。
ロック解除の価格をヒアリングしたところ、最も安いものは約6000円で、作業時間は2日です。これはかなりの金額です。ロック解除手法はかなり怪しいものでした。
香港、深センの店舗からの回答の傾向として、2の方法ではSIMロック解除をやりたがりません。SIMロックの掛かった日本版iPhoneを仕入れて自分でロックを解除するより、最初からSIMロックフリーの香港版や米国版などの方が作業時間とコストが掛からないし、手離れがいいからです。
華強北路で発見した30万〜40万台の日本版iPhone。この台数が売れ残り累積でたまった数なのか、通常の流通数なのかを確認しましたが、どこも答えてもらえませんでした。また、これらの端末がキャリアの下取りによるものなのかどうかも、今回の調査では分かりませんでした。
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