高速化“てんこ盛り”の「WiMAX 2+」で気になること:5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(2/3 ページ)

» 2017年07月12日 18時00分 公開
[島田純,ITmedia]

最大の懸念ポイントは高速通信の「エリア展開」

 そして、筆者最大の懸念ポイントは「下り最大590Mbpsのエリアは今後広がるのか?」という点です。

 実は、WiMAX 2+と4G LTEの3波CAによる下り通信高速化の先例として、2016年7月にUQが発売した「Speed Wi-Fi NEXT W03」(※)があります。この機種は3波CAによって下り最大通信速度が370Mbpsに引き上げられました。

(記事中の通信速度は、全て理論値)

※筆者注:この機種はauが先行して2016年6月に発売しました

W03の下り最大370Mbpsのイメージ W03の「下り最大370Mbps」イメージ(UQコミュニケーションズのニュースリリースから引用)

 W03発売時にauやUQが出したニュースリリース(au/UQ)の注釈には、このようなことが書かれています。

370Mbpsは東京都渋谷駅周辺エリアから開始し、順次、大阪府梅田駅周辺、愛知県名古屋駅周辺、山手線主要駅周辺など順次拡大予定。なお、駅構内はご利用いただけない場合があります。

 これを読んだ筆者は「多少時間がかかることはあっても、徐々に拡大していくのだろうな」と期待しました。しかし、発売から1年経過した現時点でも、下り最大370Mbpsエリア拡大という「続報」はUQやauから出ていません。

 実際には対応エリアを粛々と広げていた可能性もあります。しかし、少なくとも筆者がW03を使った限りでは、WiMAX 2+単独のハイスピードモードの方がむしろ下り通信速度が良好になることもあり、「WiMAX 2+とau 4G LTEの3波CAが使えるからより快適!」と実感したこともありません。

auのWebサイト上の「受信最大370Mbps」の説明 auのCA解説ページ内の「受信最大370Mbps」の説明。対応エリアの説明は「東京都、愛知県、大阪府の一部」からずっと変わっていない

 W04ではWiMAX 2+において4×4 MIMOに対応し、ソフトウェアアップデートで下り最大590Mbpsに対応しました。しかし、アップデートから1カ月以上が経過した今現在でも、ショップではそのことをほとんどアピールしていません(展示ツールの更新で変わるかもしれませんが……)。エリア情報を見ても、W03と同様に「東京都、愛知県、大阪府の一部」としか書かれておらず、具体性はありません。

au版のW04の店頭展示 au版W04の店頭展示。「受信最大440Mbps」のままになっており、さらに高速化したことを全くアピールしていない
auのWebサイト上の「受信最大590Mbps」の説明 auのCA解説ページ内の「受信最大590Mbps」の説明。370Mbpsと同様に、対応エリアの説明は「東京都、愛知県、大阪府の一部」と非常に曖昧だ

 やや乱暴な仮説ではありますが、UQ(あるいはau)が下り最大370Mbps・590Mbps対応を積極的にアピールしないのは「対応エリアの拡大が困難である」あるいは「積極的に拡大する予定がそもそもない」からかもしれません。

最新機種はより快適に通信できる

 ここまで述べた通り、通信速度の高速化について疑問点が残るUQのWiMAX 2+サービスですが、最近の“高速化した”ルーターが従来よりも快適に通信できるようになったことは事実です。

 例えば「Speed Wi-Fi NEXT WX03」では、補助アンテナ付きのクレードルを装着するとアンテナピクトがふらつく屋内でも下り・上りともに実用的な速度で通信できるようになります。「通信速度を改善するためにクレードルを持ち歩くのはどうなんだ?」という議論はあるかもしれませんが、WiMAX 2+の電波がいまいちな場所での速度改善効果は確かにあります。

 また、この機種は上り通信でのCAにも対応していますが、その効果を体感できるシーンも増えています。新しい機種では確実に通信品質が上がっているのです。

クレードルを使うとそこそこ快適に WX03にクレードルを装着した状態でスピードテストを実施。WiMAX 2+のアンテナピクトが「0本」の状態でも、下り37.35Mbps、上り3.14Mbpsとストレスを感じない速度を実現している
上りCAも効果あり WX03は上り通信にもCAを適用できる。上りCAと「64QAM」変調の採用によって、「上り最大10Mbps」という従来の理論値を超える速度でデータを送信できるシーンも増えた

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