nuroモバイルが深夜時間帯に容量無制限になるプランを投入――トーンモバイルは「深夜に使えない」プラン。時間制は支持されるのか石川温のスマホ業界新聞

» 2017年08月11日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 ソニーネットワークコミュニケーションズは8月1日、「nuroモバイル」において、翌月からデータ容量を前借りできる新サービス「データ前借り」と、午前1時から6時までの5時間、高速通信を容量無制限で利用できる「深夜割プラン」の提供を開始した。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年8月5日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 「データ前借り」はデータ容量が足りなくなった場合、10MB以上1MB単位で最大2GBまで翌月のデータ容量から「前借り」できるサービスだ。前借りの回数に制限はなく、利用料もかからない。

 一方、「深夜割プラン」は、午前1時から6時までの5時間は高速通信で容量無制限だが、それ以外の時間帯は200kbpsの速度になるというものだ。利用料は1500円で、SMSは月額150円、音声通話は月額700円が別途必要になる。

 nuroモバイルでは毎日5時間、高速通信ができる「時間プラン」を月額2500円で提供しているが、「深夜割プラン」は時間プランを深夜に限定し、1000円安くしたイメージに近い。

 深夜時間帯が安くなるというのは、パソコン通信やインターネット初期に流行った「テレホーダイ」を彷彿とさせる。

 MVNOの立場とすれば、深夜帯を割安にして、データトラフィックを平準化させるのはとても理にかなった施策といえそうだ。ユーザーとしても、DSDS対応のスマホを活用し、昼間と夜間でSIMカードを使い分ける、ソフトウェアアップデートが必要な時は深夜だけにする、といった節約法がありそうだ。

 奇しくも、トーンモバイルが子供向けとして、午後10時から午前6時までスマホが一切使えないようにするサービスを始めたばかりだ。

 まさに、同時期に「深夜に使い勝手がいい大人向けSIMカード」と「深夜は使えない子供向けスマホ」が出てきた格好になる。

 MVNOとしては限られた帯域にうまくユーザーを詰め込むかが経営する上で重要なカギとなるだけに、今後、トラフィックを平準化させるために、時間帯を限って安くするといったプランが続出する可能性もありそうだ。

 いっそのこと、MVNOが遅くなると言われている「平日昼間だけはつながらないが、そこそこ安いプラン」というのが出てきてもおかしくないだろう。

 スマホ初心者にとってみれば、データ容量の大きさはなかなか想像しづらいものだ。データ容量でのプランよりも、nuroモバイルのように時間帯で区切ってくれた方がよっぽどわかりやすい。

 かつて、パソコン通信が1分いくらという設定だったように、時間制でのプランの方が、子供でもわかりやすく、親としてもスマホを持たせやすいような気がしてならない。時間制プランを展開するnuroモバイルに続くところがなかなか出てこないのが不思議だ。

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