ソニーモバイルコミュニケーションズが2017年8月31日に発表したXperiaシリーズのスマートフォン3機種のうち、同社が「スーパーミッドレンジ」と位置付けるXA1シリーズの新モデルが「Xperia XA1 Plus」だ。
本記事では、ドイツ・ベルリンの「IFA 2017」会場にて開催されたプレスカンファレンスの終了後、ソニーブースで撮影した写真を中心に、スーパーミッドレンジ最新モデルの特徴を紹介する。
Xperia XA1シリーズとしては、2月のMobile World Congress 2017にて、5型の「Xperia XA1」と6型の「Xperia XA1 Ultra」が発表されている。ここにIFA 2017では5.5型のXperia XA1 Plusが加わった形だ。
最近のスマホの売れ筋は5型台だが、5型では小さすぎ、6型では大きすぎると感じる人が多いかもしれない。XA1 Plusの5.5型はその中間に位置しており、3機種の中ではバランスの取れたサイズといえる。
基本スペックはXA1シリーズを踏襲するものの、XA1 Plusでは新たに「指紋センサー」を搭載し、バッテリーはなんと「XA1 Ultraを上回る大容量」という、2つの特徴が加わっている。順に見ていこう。
これまで、スーパーミッドレンジのXperiaには指紋センサーが搭載されてこなかった。ソニーモバイルの製品ポートフォリオとしては、上位モデルとの差別化ポイントになっていたものの、他社モデルでは低価格帯でも指紋センサーを採用する例が増えており、見劣りしつつあった。
これに対してXA1 Plusでは、本体側面の電源キーに指紋センサーを統合。見た目や使い勝手は、XZ1など上位シリーズと似たものになっている。
気になるのは、指紋センサーの搭載が原因と考えられる、本体デザインの変化だ。これまでのXA1シリーズは、本体幅ぎりぎりまでディスプレイを配置することでデザイン的に“攻めていた”が、XA1 Plusは側面がわずかに膨らんでいる。
本体サイズは75(幅)×155(高さ)×8.7(奥行き)mmで、幅67mmのXA1よりも8mm太くなり、XA1 Ultraの79mmに近づいた。ただ、丸みを帯びた形状は実際に持ってみると手にフィットしやすく、実用的に感じる。
基本スペックはXA1シリーズを踏襲している。プロセッサはMediatek製の「helio P20」、メインメモリは3GBまたは4GB、内蔵ストレージは32GBまたは64GBで、最大256GBのMicroSDにも対応する。
カメラはアウトが2300万画素、インが800万画素でいずれもソニー製センサーを採用。XA1 Ultraが採用した1600万画素のインカメラには劣るものの、23mmの広角レンズはグループでのセルフィーに適した仕様だ。
XA1 Plusのもう1つの大きな特徴が、3430mAhというバッテリー容量だ。これはXA1の2300mAhより1.5倍ほど大きく、XA1 Ultraの2700mAhをも上回っている。
その代わりスマホ本体も重くなっている。XA1は143g、XA1 Plusは190g、XA1 Ultraは188gで、UltraよりもPlusの方が重いのは興味深い。手に持って重いと感じるほどではないが、しっかり中身が詰まった印象を受ける。
展示機のAndroid OSのバージョンは「7.0」で、XZ1シリーズが他社に先駆けて採用した「Android 8.0 Oreo」ではない。XA1シリーズにも今後のアップデート提供を期待したい。
XA1 Plusのグローバルでの発売時期は2017年秋と発表されている。これまでスーパーミッドレンジの端末は日本市場に投入されてこなかったが、XA1 Plusではどうだろうか。
現時点で発売を予感させる動きはみられないものの、日本のSIMロックフリー市場は日に日に存在感を増している。ソニーモバイル傘下のMVNOである「nuroモバイル」も積極的にサービスを拡充しており、Xperiaシリーズの取り扱いを期待する声は大きい。
XA1 Plusでは指紋センサーを搭載したことで、確実に使い勝手が良くなっている。コストパフォーマンスの高い他社製品に慣れた層に向けて、Xperiaユーザーの裾野を広げる1台といえるのではないだろうか。
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