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» 2018年05月23日 06時30分 公開

課題は「接続料」? 公正取引委員会が第2回「意見交換会」を開催 (2/3)

[井上翔,ITmedia]

MVNOからのヒアリング

 先述の通り、今回の会合ではMVNO3社からのヒアリングが行われた。3社に対しては公取委から「接続条件および接続料などにおける競争政策上の課題について」「その他競争政策上の課題について」の事前質問が送られており、それに答える形でプレゼンテーションが進められた。

IIJ:「接続料の予見性向上」と「サブブランドに対する検証」を要望

 IIJは接続料の予見性(将来の接続料の見通し)を高めるについて、長期的な向上はMVNO事業の計画・立案で役立ち、短期的な向上も企業会計の観点で好ましいとする。

 特に短期的な予見性向上については「今年の接続料が分からないまま事業を進めざるを得ないことは、MVNOにとって事業上の大きな制約になると考える」として四半期ごとの接続料算定が望ましいと語る。同社は過去に、接続料の値下げ幅が小さかったことが原因で業績の下方修正を余儀なくされたことがある。先を見通せることの大切さを身をもって知っているからこそ出てきた主張といえる。

 ただし、接続料の予見性は回線の検討要素の1つであり、それが全てではないともいう。

IIJの主張(その1) 事業計画の策定や会計上の観点から接続料の予見性向上を求めた(公取委提出資料より)

 接続条件のあり方については、卸電気通信役務の仕組みをさらに活用することがMVNOの多様化につながる説明。また、現状では無条件で卸提供となる音声通話サービスについても、大手キャリアとの交渉によってボリュームディスカウント(回線数に応じた割引制度)を拡充できればサービス面での差別化も実現できるとする。

IIJの主張(その2) 接続条件面については、卸電気通信役務の活用を主張(公取委提出資料より)

 その他、MVNE(MVNOを支援する事業者)の重要性、大手キャリアのグループ企業であるBWA(広帯域移動無線アクセス)事業者に対する規制強化、大手キャリアが自らあるいはグループ企業を通して提供している格安サービス(いわゆる「サブブランド」サービス)に対する検証など、従来から同社が発信してきた意見も改めて紹介した。

IIJの主張(その3) MVNEの重要性を訴えると同時に、「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」で主張してきたことを改めて紹介(公取委提出資料より)
IIJの主張(その4) iPhoneを正規に取り扱っているMVNOは、大手キャリアグループ企業のみ。大手キャリアに対して取り扱い条件を開示するようにも求めている(公取委提出資料より)

ケイ・オプティコム:接続料負担が重荷に

 ケイ・オプティコムは、現状のMVNOの競争環境を比較的前向きの捉えている。MVNOサービスが普及したことで、大手キャリアとMVNOの競争だけでなく、MVNO同士でも競争が発生することで、プラン、サービスや端末の多様化が進み、利用料金の低廉化が進んだからだ。

ケイ・オプティコムの主張(その1)ケイ・オプティコムの主張(その2) ケイ・オプティコムは現状の競争環境をおおむね前向きに捉えている(公取委提出資料より)

 しかし、同社は接続料のあり方に課題を認識している。接続料の算定ルールやそのプロセスの透明化については評価する一方で、同社のMVNOサービス「mineo(マイネオ)」においてサービス原価に占めるデータ利用料(接続帯域の確保・拡充にかかる料金)の割合が高まる傾向にあることから、接続料のあり方を継続的に検討していくことの重要性を訴えた。

ケイ・オプティコムの主張(その3) ケイ・オプティコムのMVNOサービス「mineo」では、原価に占めるデータ利用料の割合が大きくなる傾向にある(公取委提出資料より)
ケイ・オプティコムの主張(その4) データ接続料については低廉化してきているものの、それを上回る形でユーザーあたりに必要な帯域が増加している(公取委提出資料より)
ケイ・オプティコムの主張(その5) このような事情を踏まえたケイ・オプティコムの接続料に対する考え方(公取委提出資料より)

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