復活から攻勢に転じたXiaomi、2018年はシェア4位を維持できるか山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

» 2018年06月06日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

過去の成功との決別、わずか3年で復活を遂げる

 中国の新興スマートフォンメーカーとして一時は世界中から脚光を浴びたXiaomi(Xiaomi、小米科技)。しかし2015年に急失速してからは、OPPOやVivoが急成長し中国の新しい顔となった。オンライン販売を重視し、ファンを育て、少数精鋭のコストパフォーマンスに優れたモデルで市場をけん引するというXiaomiの成功モデルは、スマートフォン市場の成長が右肩上がりの時代にしか通用しなかったのである。

 しかしそれからわずか3年でXiaomiは劇的な復活劇を果たした。今や毎月のようにスマートフォン新製品を投入し、中国の街中にはXiaomiの広告が目立つ。繁華街に位置する小奇麗な雰囲気の直営店、「小米之家」は常に来客で混み合うほどだ。市場の急激な変化に対し、Xiaomiは自らの成功体験を全て捨て去ったといってもよい。

Xiaomi 失速から3年、Xiaomiは完全復活した

 ガートナーの調査によると、2018年第1四半期(1月〜3月)の世界のスマートフォンシェアは1位Samsung、2位Apple、3位Huaweiで、この3社のポジションはここのところ安定している。しかし4位にはOPPOの上にXiaomiが入った。Xiaomiの今期の販売台数は約2850万台で、前年同期の1270万台から142%増と大きく増えている。

 ちなみに2017年第3四半期(7月〜9月)にVivoを抜いて5位に入り、第4四半期(10月〜12月)にはOPPOを抜きさり4位になっていた。2017年の通年販売台数の順位ではSamsung、Apple、Huawei、OPPO、Vivoがトップ5を守ったが、Xiaomiが2018年のパフォーマンスを続けていけば、2018年は通年で4位か5位の座を得ることは間違いない。3位Huaweiとの差はまだ大きく開いているが、僅差で4位争いをしているOPPOとの差を広げる可能性は十分ある。

Xiaomi 中国各地で見られるXiaomiの広告

 そして一度は諦めた「年間販売台数1億台」を2018年にこそ実現しようと、Xiaomiは2018年に入ってから魅力的な製品を次々と送り出している。5月31日に発表されたばかりの「Mi 8」シリーズは、Xiaomiのスマートフォンを価格の呪縛から引き離すことのできる、性能と使い勝手の高さを十二分に味わえるモデルになっている。

 Mi 8のスペックはプロセッサがSnapdragon 845、メインメモリ+内蔵ストレージの構成は最大で6GB+256GB。6.21型の大型ディスプレイは1080×2248ピクセルのノッチ付き。カメラは1200万画素F1.8とF2.4のデュアル、フロントには2000万画素カメラを搭載した。また世界初のGPSデュアルバンドにも対応している。

Xiaomi 2018年のフラグシップモデル、Mi 8

 それに加え、今後バージョンアップされるOS/UI「MIUI 10」では全画面ディスプレイに対応した操作が加わる。音声AIアシスタントも端末操作のかなりの部分が音声でコントロール可能になった。またカメラは206のシーンのAI自動判別や、顔部分だけの切り抜き、AI美顔モードなど多くの機能が加わった。これによりDxOMark 105という、「HUAWEI P20 Pro」の109に次ぐ高い数値を出している。

 そして上位バージョンとなる「Mi 8 Explorer Edition」には、iPhone Xと同じ原理で高度な顔認証を行えるFace IDを搭載、それに加えディスプレイのない埋め込み型の指紋認証センサーを搭載している。背面は透明仕上げとし、内部の基板上のパーツが美しく配置されている。

 価格はMi 8の64GB版が2699人民元(約4万5800円)、128GB版が2999人民元(約5万1000円)、256GB版が3299人民元(約5万6000円)。Mi 8 Explorer Editionは6GB+128GBで3699人民元(約6万2700円)となる。スペックを考えただけでも十分安いが、新しい機能を考えるとコストパフォーマンスの高さは明らかだろう。

Xiaomi Mi 8 Explorer EditionはFace ID搭載や透明バックパネの上位モデルだ

 これまでXiaomiのフラグシップモデル「Mi」シリーズは最高のチップセット、最高のカメラを搭載しつつ、価格は他社の同等品よりも大幅に安いことを売りにしてきた。ところが中国の消費者はSnapdragon 800シリーズを搭載し、1999元という安さを誇るXiaomiよりも、より性能が低いSnapdragon 600シリーズ搭載で価格は逆に2000元を超えながらも、美しいセルフィーが撮れ超高速充電が可能なOPPOの製品を選ぶようになっていったのだ。

 その理由は明確で、スマートフォンを買って「何ができるのか」という、メーカーからのメッセージに大きな差があったからだ。車で例えれば、OPPOはドライブの楽しさを消費者に伝え続けた。一方、エンジン性能の高さをアピールしていたのがXiaomiだったのだ。しかもXiaomiの低価格ライン「RedMi」シリーズでも一通りのことはできる。つまりXiaomiのフラグシップモデルの特徴は、年々のモデルチェンジを繰り返した結果、気が付けば「スペックが高い」だけになってしまった。しかし今の時代、消費者がスマートフォンに求めているのはスペックそのものではないのだ。

Xiaomi 2017年のフラグシップ「Mi 6」。スペックは高いが特徴に欠けた

 Mi 8シリーズは高速CPU搭載をうたってはいるが、写真の失敗をなくしプロライクな撮影を可能とし、さらには音声操作も可能で使いやすさを第一にしたスマートフォンとしてのアピールを大々的に行っている。また上位モデルでは安全性を高め、個人情報の塊となったスマートフォンをより安心して使える。つまりスマートフォンでできることを明確にしながら、リーズナブルな価格で販売されるのだ。失速してからのXiaomiをマークしていなかった他社にとって、Mi 8の存在はもはや無視できないものになるだろう。

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