復活から攻勢に転じたXiaomi、2018年はシェア4位を維持できるか:山根康宏の中国携帯最新事情(2/2 ページ)

» 2018年06月06日 06時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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中国で復活、インドでも1位 先進国展開がこれからの課題

 2018年に入ってからのXiaomiの新製品も、それぞれに明確なターゲットユーザーを持った製品ばかりだ。2月登場の「RedMi Note 5 Pro」はAI搭載のデュアルカメラ、5.99型で18:9の大画面、4000mAhの大容量バッテリーを搭載、パステルブルーとパステルピンクという女性を意識したカラバリもそろえた。価格はわずか1099元から、プロセッサにSnapdragon 636を初めて搭載するモデルだったが、そこに本製品の魅力を感じる消費者はほとんどいないだろう。

 4月には2018年向けとなる3機種を発表。ベゼルレスで話題になったMIXシリーズのマイナーアップデート品の「Mi MIX2S」は上質な仕上げで持つことや使うことに喜びを感じられる高級機だ。一方、Xiaomiが出資するBlack Shark Technologyからゲーミングスマートフォンの「Black Shark」も登場した。前年にゲーミングPCメーカーのRazerが市場を開拓したゲーミングスマートフォン。Xiaomiは早くも製品を手掛け、中国市場でのマーケットリーダーを目指そうとしている。

Xiaomi ゲーミングスマートフォンの「Black Shark」

 また、ミッドレンジモデルとして「Mi 6X」も登場した。価格は1599人民元で、MiシリーズとRedMiシリーズの中間に位置する価格帯のモデルだ。いわゆる「そこそこスペックが良く、価格も安い」という一般向けの製品だが、前後とも2000万画素カメラを搭載しカメラフォンとしても十分使える製品である。

 5月には999元の低価格ながら、フロント1600万画素のセルフィー特化スマートフォン「RedMi S2」を投入。スマートフォンで毎日SNSを使い、自分撮り写真のアップは欠かせない、という若い世代をターゲットにした。こうしてみるとBlack Shark以外の製品はどれもカメラ性能を重視。スマートフォンで最も求められている機能がカメラであることをXiaomiは理解している。

Xiaomi 「RedMi S2」は格安でもセルフィー機能をアピール

 中国のJiguang(極光)の調査によると、2018年第1四半期の中国国内のスマートフォン販売シェアは、1位Huawei(25.4%)、2位OPPO(14.8%)、3位Vivo(14.3%)、4位Xiaomi(12.8%)、5位Apple(8.4%)だった。1年前の同期はそれぞれ19.2%、18.7%、17.9%、8.2%、14.4%だったことを考えると、Xiaomiは大きくシェアを伸ばしている。

 この中国に加え、Xiaomi全体の販売数増を支えているのは2014年から進出したインド市場だ。オンライン販売を強化し、2017年第4四半期にSamsungを抑えてシェアトップとなった。2018年第1四半期も1位の31%を記録(カナリス調べ)。Samsungは26.2%で2位と後を追いかける位置に残っているが、東南アジアなどで高い存在感を誇るVivoとOPPOは3位と4位ながらシェア5%台と大きく引き離された。

Xiaomi インドではシェア1位になった

 OPPOはAmazonと組んでインド国内へオンライン専用モデル「RealMe」を投入したが、これはXiaomiの低価格モデル「RedMi」シリーズへ対抗するためだ。今やインドで誰もが買いたがるスマートフォン、それがXiaomiになっているのである。

 とはいえ、先のことは一切見えないのがスマートフォンの世界。インドもいずれ中国のように成長が鈍化する日がやってくるだろうし、他の新興市場、インドネシアなどでもいずれ競争は厳しくなるはずだ。そのためには国際的なブランド力を高め、値段や性能ではなくXiaomiの名前で製品を買ってもらえるようになる必要がある。

 アジアではシンガポールや香港などの先進国にも進出を果たしているが、どちらも市場規模は小さく、販売数を伸ばすためではなくブランド力をつけるための市場展開だろう。先進国への展開拡大こそが、真のグローバル企業、グローバルブランドになるためには必要なのだ。数だけを出していた数年前、Xiaomiが興味あるのは低価格機が売れ、人口の多い新興国だった。しかし今では先進国展開を本格化させている。

Xiaomi 香港のXiaomiの店。ブランド力を高める狙いがある

 2017年11月にはスペインへ、2018年5月にはフランスへ進出した。今後は米国での展開も計画されているといわれている。日本展開は代理店経由で一部のアクセサリーを販売するにとどまっているが、OPPOの例を考えると、いずれスマートフォンの展開もあるかもしれない。

 中国で復活し、しばらく成長が続くインドでトップを走り続け、さらに先進国への展開もうまくいけば、Xiaomiの販売台数はこれからも伸びていくはずだ。2018年は1億台の販売数だけにとどまらず、Huaweiをターゲットにできるシェア4位の座を死守すること。これがXiaomiの目指すべき目標だろう。

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