スマホシェア世界4位に食い込んだOppo、Xiaomiにない強さとは?山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

» 2016年06月07日 14時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 調査会社Gartnerが5月に発表したスマートフォンのメーカー別世界シェアを見て驚いた人も多いだろう。1位Samsung、2位Apple、3位Huaweiに続き、中国のOppoが4位だったからだ。

Oppoの強さとは? Oppoの最新モデル「R9」

 中国スマートフォンの“顔”でもあるXiaomi(シャオミ、小米科技)はもちろんのこと、大手メーカーのLG ElectronicsやLenovoを抜き去ったOppo。その強さはどこにあるのか? ここのところ勢いにやや陰りが見えているXiaomiとの違いを比較してみた。

Oppoの強さとは? Gartnerの2016年第1四半期スマートフォン販売数順位。Xiaomiを抜いてOppoが4位に踊り出た

高品質、高ブランド力、そしてオフラインに強いOppo

 Oppo(広東欧珀移動通信)は今や中国国内だけではなく、世界各国で端末を販売するグローバルメーカーの仲間入りを果たそうとしている。現時点での主な海外展開先は東南アジアなどの新興国だが、オンラインでは先進国向けの販売も開始した。

Oppoの強さとは? グローバル展開も進めるOppo。スペインの名門サッカークラブ「FCバルセロナ」のスポンサーにもなった

 Oppoの2015年の販売台数は5000万台で、同年は世界シェア10位以内にランクインした。とはいえOppoの製品を海外、特に先進国のメディアが大きく取り上げることは多くはない。一方、ライバルともいえるXiaomiの最新モデルは、たとえ中国国内だけでの販売であっても「Snapdragon820採用」「価格はわずか3万円台」といった、派手な報道合戦が繰り広げられる。

 その「安くて高性能」なXiaomiよりも、Oppoの製品が販売台数で上回ったのはなぜなのだろうか? Xiaomiは最初の製品が誕生した2011年から「価格」「スペック」を製品の特徴として強くアピールしてきた。それに対してOppoは全く異なる戦略で地道に生き残りをかけた勝負を続けてきたのだ。今回の順位の逆転は、そんなOppoの独自戦略が実を結んだものといえるだろう。

 Oppoの強み、それはXiaomiの弱さであるかもしれない。つまりXiaomiが持っていないものをOppoは全て持っている、という関係でもあるのだ。

Oppoの強さ(1):オフライン(実店舗)展開の豊富な経験

 Xiaomiの躍進は、自社展開するオンラインストアとソーシャルサービスの活用が源泉だ。最新モデルの情報は発売前からSNSで発信され、製品の予約や販売も真っ先にオンラインストアで行われる。ここ1〜2年、カスタマーケア及び製品を展示する実店舗の「小米之家」を中国国内に展開しているが、基本的に端末販売はオンラインが中心だ。

 Oppoは音楽プレーヤーやフィーチャフォンを手掛けていた10年以上前から代理店など実製品を販売する店舗を展開してきた。ここ数年はオンラインストアでもスマートフォンを販売しているが、それよりも前から同社のコーポレートカラーの緑色を基調とした実店舗を中国各都市に多数展開、大手家電量販店内にも積極的に出店している。そのOppoストアには同社の最新スマホも整然と並べられ、カバーや保護フィルムなどアクセサリーも豊富だ。マイナーメーカーの製品はアクセサリーの購入が難しいが、Oppoストアならば新品の端末と同時にアクセサリーも買うことができる。もちろん店内は明るく清潔で、こじゃれたブティックのようだ。

Oppoの強さとは? 中国・深センにあるOppoの店舗。コーポレートカラーの緑が目立つ。店内は狭いながらも小ぎれいでスマートフォン本体から純正のアクセサリーまで全てがそろう
Oppoの強さとは? 実店舗をほとんど持たないXiaomi。その人気にあやかろうと勝手に看板を掲げる店も多い(中国・深セン)。スマホは本物でもモバイルバッテリーはXiaomiブランドの模造品を売るなど、安心して買物ができる場所ではない

 オシャレなお店というとAppleストアがその代表だろうが、高価な端末に高価なアクセサリーや周辺機器がならぶAppleストアは、新興国の一般庶民には入りにくいだろう。しかもiPhoneだけならまだしも、ケースだけでも数千円、モバイルバッテリーやスピーカーも価格はかなり高い。一方Oppoストアにある純正のケース類は、ノーブランドの格安品よりは高いだろうが、せいぜい1000円程度で気軽に買える価格だ。

 このようにOppoは「街中のちょっとおしゃれな専門店」を中国国内で展開してきた。そして今、その経験をそのまま新興国にも広げているのだ。国によっては低価格モデルの数を増やすなどラインアップも変えている。だがそこに「格安品」はなく、安い端末でも1万円台後半と、新興国の地場メーカーがそろえる低価格モデルよりもワンランク上の価格帯の製品を置いている。「Oppoの店に行けば、海外から輸入されたいい端末が置いてあり、しかもお店の作りも上品」。そんな実店舗を数年かけて展開していった結果、Oppoの名前と製品を各国の消費者の間に浸透させることに成功したのだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月22日 更新
  1. 「iPhone 18」シリーズうわさまとめ 秋にPro、来春に無印登場か 「さらなる値上げ」の可能性も考える (2026年08月19日)
  2. 「弊社のモバイルバッテリーが河川等に投棄されている」――運営元が警察および関係各所と連携 (2026年08月19日)
  3. 服の中に風を送る「腰掛けファン」はハンディファンと何が違う? メリットと購入前に知るべき注意点 (2026年08月18日)
  4. 清水寺の「5Gが入らない」をどう解決した? ソフトバンクが挑んだ景観保護とアンテナ設置の裏側 (2026年08月20日)
  5. ソニー、Xperia新モデルを予告 8月25日11時に発表 YouTubeで世界同時配信 (2026年08月21日)
  6. Pixel 11シリーズ実機レビュー:「薄型化の無印」と「背面が光るPro」、Gemini連動の新機能で何が変わったか (2026年08月20日)
  7. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  8. 最大24万強マイル還元のチャンス 新「ANAアメックス」誕生、日常決済で“旅が近づく”特典強化の中身 (2026年08月21日)
  9. きょう発売の「Pixel 11」、結局は何が進化点? Geminiの進化にも注目 (2026年08月20日)
  10. 「新喜皮革」のコードバンを使用したApple Watch用バンド登場 約2万円 (2026年08月21日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー