GSMAが主催するモバイル・通信関連のイベント「MWC上海2023」が2023年6月28日から30日まで中国・上海で開催された。本格的な開催は4年ぶりということもあり多くの企業が出展したが、コロナ前の同イベントと比べると欧米企業の出展はほとんどなく、中国国内向けのイベントという感が強かった。とはいえ世界最大のモバイル市場となった中国での開催だけに、名だたる大企業の出展が目立っていた。気になった展示をいくつか紹介しよう。
MWC上海2023の会場規模は、コロナ前の2019年と比べると出展ブースの数は若干減っていた。特にコンシューマー向け製品を展開する企業の出展はほとんどなく、XiaomiやOPPOなどスマートフォン大手メーカーの出展も皆無だった。スマートフォンで目立っていたのはレノボブースの一角に出展していたモトローラと、中国の中堅メーカーMeizu(魅族、メイズ)の2社のみ。そのMeizuも出展内容はスマートフォンではなくEV(電気自動車)が中心だ。
Meizuのスマートフォン事業はここ数年苦戦が続いており、2022年は新製品の投入はなかった。新製品を出せなかった別の理由は同年にMeizuが自動車メーカーに買収されたからだ。2022年7月、中国の大手自動車メーカー、吉利汽車(Geely)の関連会社がMeizuを買収して傘下に納めている。買収によりMeizuのスマートフォンに搭載されているFlyme OSの自動車向けシステム「Flyme Auto」を開発し、傘下のEVへの搭載を始めている。
Meizuブランドのスマートフォンも2023年にようやく新製品を投入。Meizu 20、Meizu 20 Pro、Meizu 20 Infinityの3機種で、いずれもSnapdragon 8 Gen 2を搭載するハイエンドモデルだ。Flyme Autoとの連携もシームレスで、自動車のダッシュボードにスマートフォンの画面をそのまま投影することもできる。Meizuのスマートフォンは単体の高性能端末としてだけではなく、自動車と連携できるスマートデバイスとして販路拡大が期待される。
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