5G-Advancedや6G関連の展示はHuaweiブースでも見られた。Huaweiは通信事業者向けに高速・同時多接続・低遅延という次世代通信インフラを生かした新たなマネタイズモデルも提案している。その1つが3Dコンテンツの配信だ。中国では裸眼3Dディスプレイを搭載したフォトフレームが数社から製品化されており、ノートPCやタブレット、そしてスマートフォンへの搭載も進もうとしている。
3Dコンテンツの配信はデータ量を必要とすることから5G向けであり、より臨場感を味わえることから新しい体験を提供できる。Huaweiは5Gをアップグレードした5G-Advancedを「5.5G」と称し、2024年の商用化を目指している。デジタルサイネージや店頭POPなどで3Dコンテンツが見られる時代は意外と早く来るかもしれない。
さて、2022年前半はメタバース関連が大きく盛り上がったが、後半からは対話型AI、いわゆるチャットbotが急激に注目を集めている。特にOpenAIの「ChatGPT」の登場は検索そのものの概念を変えようとしている。
中国では既にスマートフォン向けにRCSを使ったチャットbotサービスが広がっているが、人物のキャラクターを使った動画によるサポートサービスなどの普及が始まった。スマートフォンの画面でもテキストだけではなく人物キャラクターが実際の会話をするようにこちらの質問に応えてくれる。キャラクターを生成するプログラムやソリューションも増えており、今後はスマートフォンの画面でもビデオ通話をするようにサービスを受けられるようになっていく。
チャットbotに関連した製品として、ZTEが「nubia Neo Air」を出展した。スマートフォンとワイヤレス接続して利用するARグラスで、メガネのレンズにスマートフォンからの通知を表示したり、ナビゲーション機能で道案内を表示したりできる。チャットbot機能も搭載しており、音声で話しかけることでその回答をレンズの内側に表示してくれる。
MWC上海2023では5Gは既に当たり前のインフラとなっており、5Gネットワークをどのように活用していくかといった展示が目立っていた。日本にとってもこれからの5Gサービス拡大に向け、参考になる出展も多数見受けられた。インフラのみならずサービスも含め、中国が5G市場をけん引してく存在になることは間違いないだろう。
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