スマホの防水、本当に大丈夫? 夏を楽しむ前にチェックしておきたい3つのこと

» 2018年07月25日 07時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 スマートフォンの「防水」機能。もはや付いていない機種を探す方が難しいほど、多くに搭載されるようになりました。

 これからの季節はプールや川、そして海といった水場に遊びに行くことも増えてきますし、夕立やゲリラ豪雨など、スマートフォンが水にぬれる可能性が高くなってきます。

 実際、梅雨の時期からプールや海の夏期営業が終わるまでの間は、携帯電話を水没させて壊してしまう人が多く、修理や買い替えの相談が増える時期でもあります。

 しかも、水没で修理や買い替えを行う人の中には一定数、「防水機種」であるにもかかわらず、水没が故障原因になっていることも。

 そこで今回は、防水スマートフォンであっても油断できない水回りの故障原因やその対策をご紹介していきます。

最大の故障原因は「パッキン」

 筆者の応対経験上最も多いのが、防水に対応した機種でも、SIMカードやmicroSDカードの取り付け箇所がしっかりと閉じられていないケース。

防水機種でも、きちんと「ふた」を閉めていないと思わぬ事故に

 ガラケー時代の防水機能同様、スマートフォンでも防水機種の多くは浸水を防ぐため、開閉可能な箇所にはゴム製のパッキンを取り付けています。

 最近ではこうした「ふた」は減ってきていますが、ふたのない機種であっても「SIMカードトレイ」には要注意です。

SIMカードトレイに要注意

 こちらはiPhone 8のSIMカードトレイ。

 見ての通り、黒いパッキンが取り付けられており、簡単に開閉できるものではありませんが付け外しのできる箇所な以上、内部へ浸水する可能性がある場所として、水の浸入を防ぐよう設計されています。

 このパッキンは経年劣化していくため、何度も開け閉めをしていると、気付くと外れていたり、割れたり切れたりしていることも。

 特にこれからの季節、サマーレジャーに興じるといった場合には、事前にパッキンが正しく取り付けられた状態か、そしてふたやトレイは奥までしっかり差し込まれているかの確認をしてから利用するようにしましょう。

 また、パッキンが外れている、壊れているといった場合、契約している携帯電話会社のショップに修理の相談に行くといいでしょう。

 保証サービスに加入していれば安価に交換・修理が行えます。高額な修理費がかかると言われた場合は、買い替えを視野に入れてもいいかもしれません。

 水没して壊れた後では大切なデータを復元することもかないませんので、そうなる前のパッキンの交換や修理、機種の買い替えを検討するべきです。

「キャップレス防水」でも注意が必要?

 次に多いのが、数年前から防水のスマートフォンに増えてきた「キャップレス防水」でのトラブルです。

キャップレス防水でも水ぬれに注意

 キャップレス防水とは充電端子やイヤフォン端子にふたが取り付けられておらず、露出した状態でも防水性能を有しているもののこと。

 iPhoneであればLightning端子、AndroidスマートフォンでもmicroUSB端子やUSB Type-C端子といった、充電ケーブルの差込口にふたがついていないといえばイメージできるでしょう。

 露出したこれらの端子・差込口は水にぬれても大丈夫になっていますし、ゴム製のパッキンを用いないので経年劣化の面でもメリットがあります。

 「インスタ映え」など、夏のレジャーシーンでは防水スマホのカメラが活躍するシーンも多いでしょう。

 推奨される使い方ではありませんが、浴室に持ち込んでスマホで動画を再生しながら長時間、半身浴を楽しむといった使い方もメジャーです。

 問題が起きるのは、こうした水場シーンの後。どちらもそれなりに電池を消費するため、利用直後に充電を行おうとする人が多いのです。

 この際に充電端子に残った水気が原因でショートを起こしてしまい、スマートフォンが突然再起動を起こす、最悪の場合は電源が入らない、立ち上がらないといったトラブルになり、修理が必要になるといったケースが増えてきています。

 対策としては水場にスマートフォンを持ち込んだ場合、すぐに充電ケーブルを差し込まないこと。

 細い綿棒などで端子を拭こうとするのはNGです。無理に奥まで拭こうとして、端子を折ってしまったり、綿棒の先が奥に残ってしまい、それを取り除こうとして端子を傷つけてしまったりといったトラブルを引き起こしかねないからです。水場でスマートフォンを利用した場合、キャップレス防水の機種であれば、どんなに電池が減っていても待つようにしましょう。

防水でも過信は禁物

 他に確認しておきたいこととして、防水の機種でも、画面が割れていれば水を防ぐことはできません。

 画面が割れていなくても、本体に大きくへこんだ傷がある場合も、ディスプレイパネルと本体の間に隙間が生まれ、防水性能を著しく損なっている可能性があります。

愛用の防水スマートフォンに、今夏活躍してもらうのであれば、

  • ふたやSIMカードの取り付け箇所の「パッキン」を確認
  • キャップレス防水は水場で使ったらすぐの充電はしない
  • 落として変形していないか

 といった事項は、使用前後で必ず確認しておきましょう。

 外装の破損なども含め、不安であれば水場での使用前に一度修理の相談をしておくのが吉です。

ライター:迎悟

キャリアショップも家電量販店も併売店も経験した元ケータイショップ店員。携帯電話が好き過ぎた結果、10年近く売り続けていましたが、今はライター業とWeb製作をやっています。

連載:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」


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